韓国では監査院が動くシーズンになっているため、各政府機関から入手したさまざまな注目すべき情報が韓国メディアに登場しています。
『韓国経済』に非常に興味深いデータが出ていますのでご紹介します。国会企画財政委員会に所属する『共に民主党』議員が、『韓国銀行』から入手した「韓国居住者の支給理由別の海外送金額」です。
これによると……。
海外送金額
2021年上半期:6,420億5,000万ドル
2022年上半期:7,445億1,000万ドル
となっています。2022年上半期は、対前年同期比で「1,024億6,000万ドル」(約14兆7,635億円)も余計に海外にお金が流出しています。
年次で見ると以下のようになります。
2019年:1兆261億1,000万ドル
2020年:1兆652億8,000万ドル
2021年:1兆3,296億1,000万ドル
2021年には、2020年と比較して海外送金が一気に「2,643億3,000万ドル」(約38兆873億円)も増加しています。
ちなみに、この居住者の送金については政府・企業・家計が含まれています(金融機関を除く)。なぜここまで海外送金が増加しているのでしょうか。
大きな理由は、資源価格の急騰、インフレによって輸入決済代金が急増したことです。貿易収支(輸出 – 輸入)が赤字になるのと同じ理由です。
送金理由を見ても2022年上半期に最も増加したのは「事前送金方式通関輸入代金支給」です。以下はその具体的な金額です。
2021年上半期:1,647億ドル
2022年上半期:2,115億4,000万ドル
増加額:468億4,000万ドル
2022年上半期は前年同期比で「468億4,000万ドルドル」(約6兆7,492億円)も増加しています。「28.4%」の急騰です。
また、Money1でも何度かご紹介していますが、海外への直接投資が増加していることも送金が増加している大きな理由となっています。
2021年上半期:152億1,000万ドル
2022年上半期:288億5,000万ドル
増加額:136億4,000万ドル
このように海外への投資金額は「136億4,000万ドル」の増加。なんと「89.7%」も増加しているのです。
このような資金流出が大きくなっていることは、現在の韓国経済の状況からいえばかなり注目されるべきです。
※ドル円の換算は2022年10月05日「1ドル=144.09円」で行いました。
(吉田ハンチング@dcp)