Money1としては、このニュースはどうしても取り上げざるを得ません。
2022年10月14日、アメリカ合衆国『Nikola(ニコラ)』の前社長、Trevor Milton(トレバー・ミルトン)さんが、マンハッタン連邦裁判所で「投資家をだました詐欺」の疑いで有罪判決を受けました。
Money1でもご紹介しますしたが、この『ニコラ』という会社は、水素トラックを作るとして始まったスタートアップ企業です。
ところが先の記事でご紹介したとおり、この企業には水素トラックを作れるような技術は何もありませんでした。
それどころか、元左官工だった弟を「水素製造/インフラストラクチャーのディレクター」と紹介したり、ただただ坂をくだっているサンプルトラックを「(水素エンジンで)自走している」と称して動画をYouTubeに上げるなど、やりたい放題でした。
そのため、第2の『テスラ』などと褒めそやされたのですが、2020年09月10日、空売り集団『ヒンデンブルグ・リサーチ』(Hindenburg Research)が「『ニコラ』のウソを暴く告発」をネット上に上げ、木っ端微塵に粉砕。
『ヒンデンブルグ・リサーチ』は、自らを「法医学的な金融研究を専門にしている」と紹介しており、上場した企業のうそを調査しては公表、「空売り」を仕掛けています(今も続けています/以下公式サイト)。
マンハッタン連邦裁判所で行われた裁判において、陪審員はミルトンさんが告発された詐欺罪4件のうち3件を有罪と判断しました。
判決に先立って、検察は「ミルトンがニコラの技術完成度が不十分であることを知りながら、株価対策のために故意に投資家をだました」と起訴。検察はミルトンさんと『ニコラ』の活動を「お金を稼ぐためのうそ」と要約したのです。
最終的な宣告は2023年01月の予定で、刑期は最高20~25年に達すると予想されています。
Money1で「詐欺事案」とご紹介してから早くも2年が経過しましたが、ようやく法的な決着がつきました。『ヒンデンブルグ・リサーチ』は見事に詐欺事案を告発し、撃沈してみせたのです。
(吉田ハンチング@dcp)