世界的に電気自動車の販売数の増加速度が鈍ってきました。しかし韓国の失速ぶりは異常です。
以下をご覧ください。電気自動車(正確には「電気動力車」※)の販売台数の対前年増加率を各国で比較したものです。ただし、2023年は01~09月までのデータです。
※電気動力車には「純粋電気自動車」「水素燃料電池車」「プラグインハイブリッド車」を含みます。
日本は2022年に120.5%も成長していますが、これは2021年が非常に少なかったための基底効果。
ご注目いただきたいのは、中国、韓国です。
2023年は01~09月までですが、中国はあと3カ月を残して2023年は対前年比で37.8%しか増加していません。2022年は「93.3%」もあったのに……です。
韓国に至ってはマイナスに転じ「-2.3%」となりました。
面白いのは、中国、韓国共に「電気自動車の生産強国」などと自身を誇っていることです。中国は(よせばいいのに)猫も杓子も電気自動車生産に名乗りを上げ、過当競争を繰り広げ、電気自動車の墓場を作りながら、その過剰生産性をフルに発揮。各国にポンコツ電気自動車を輸出しています。
韓国もいつまで「電気自動車強国」が続くか分かりません。
合衆国では例のIRA(インフレ削減法)絡みで規制が強まりますし、欧州では「補助金制度」が次々と廃止されていっています。例えばドイツ。2023年08月には法人購入の際の補助金給付制度が終わりました。来月には個人購入の際の4万~6万5,000ユーロの補助金がありません。
そもそも欧州、特にドイツは不況になっていますので、補助金なしで果たして電気自動車のような高い買い物をするでしょうか。
またフランスでは、電気自動車補助金制度を改正しようとしており、「環境点数」制度を導入すると見られています。その電気自動車を造るために炭素がどのくらい排出されたのかを点数化して、点数制限を満たしたものにしか補助金を出しません――とするつもりです。
小賢しいことに「輸送過程で排出される炭素なども計算して点数化するつもり」です。遠いアジアから炭素を排出しながら輸送された電気自動車は不利に決まっています。欧州というのは、こういう小狡いルールを思いつく歪んだ文化圏なのです。
それはともかく、補助金が廃止されても韓国の電気自動車は売れるのか?――です。国内でも上掲のとおり売れなくなっているというのに。
(吉田ハンチング@dcp)