2025年04月29日、中国外交部の定例記者ブリーフィングが行われ、日本が注目すべきQ&Aがありました。以下です。
例によって中国メディアの記者による質問ですので、これは中国共産党が「言いたいことがある」ためにさせた質問です。
『中新社』記者:
今年は中国人民の抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたり、本日は『化学兵器禁止条約』発効28周年の記念日でもあります。日本が中国に遺棄した化学兵器は、日本の軍国主義が中国人民に対して犯した罪行の重要な証拠であり、遺棄化学兵器の処理は条約の枠組みにおける重要な任務です。
報道官はこの作業の進展について紹介していただけますか? また、中国側はどのような懸念を持っていますか?
郭嘉昆(報道官):
旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器は、当時の日本軍国主義侵略者による対中侵略戦争において犯した重大な罪行の一つです。戦争が終結してからすでに80年が経過しましたが、日本が遺棄した化学兵器は依然として中国の関係地域における人民の生命・財産および生態環境の安全に深刻な脅威と害を及ぼしています。
日本が遺棄した化学兵器の毒害を根絶することは、日本が免れることのできない歴史的・政治的・法的責任であると同時に、『化学兵器禁止条約』に基づく国際的義務でもあります。
中国側の積極的な支援の下で、日本側はこれまでに遺棄化学兵器を約15万発掘・回収し、そのうち約12万発を廃棄しましたが、全体として見れば、遺棄化学兵器の処理進度は依然として著しく遅れています。
今年は中国人民の抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、『化学兵器禁止条約』発効28周年でもありますが、いまだに中国の国土には日本が遺棄した化学兵器が残存しています。
中国側は日本側に対し、条約を誠実に履行し、責任を果たすよう強く促します。
2022年以降の遺棄化学兵器の廃棄計画を全面的・完全かつ正確に実行し、処理作業の進度を加速し、中国人民に一日も早く安全と清浄な大地を返還し、国際社会に正義をもたらすよう求めます。
旧日本軍が中国に化学兵器を遺棄し、これを現在の日本が処理する――という事業が行われているのです。
1997年に中国が『化学兵器禁止条約(CWC)』に加盟したことを契機に、日本と中国の間でこの「遺棄化学兵器(ACW)」の処理について協議が始まりました。
1999年、日本政府は中国との間で「遺棄化学兵器の調査・回収・廃棄」を支援することを決定し、以後、日本の税金を使って処理が進められています。
この件については、大き疑義・問題点があります。
●本当に「旧日本軍遺棄」なのか?
中国側が提示する化学兵器の中には、製造年・製造国・型式が戦後の中国製やロシア製である可能性があるものも含まれている――という指摘があります。
また、「本当に旧日本軍の遺棄兵器か」を確認する手段が限られており、中国側の申告に依存せざるを得ない点が大問題です。
中国側は「新たな遺棄兵器が見つかった」として請求を続けており、「中国にお金を貢ぐ」事業になっているのです。
中国政府がこの問題を外交カードとして繰り返し取り上げ、日本に対する圧力材料や道義的優位性の誇示に使っている――との見方があります。
(吉田ハンチング@dcp)