韓国はどん底不景気で、李在明(イ・ジェミョン)政権が成立したものの、そんなことで景気が良くなったりはしません。
コロナ禍から続く負債の増加が問題に焦眉の急となっています。
2025年06月15日現在、コロナ禍からの経済回復のために大盤振る舞いしたローンが(返済できないために)延長、延長を繰り返し、ここまで至っており、返済期限が09月末に迫っています。
2020年04月に始まった「コロナ禍による中小企業や自営業者の事業継続支援」として、
「貸出の返済期限延長」
「元利金の返済猶予」
――が導入されました。
2020年当初は「期限を半年(2020年09月末)まで延長したのですが、その後、段階的に6カ月ずつ時限で延長が重ねられ、2021年3月・6月にさらに延長取り決めを行いました。
直近の延長期間は、
「貸出の返済期限延長」⇒ 2025年09月末まで可能(最大3年延長)
「元利金返済猶予」⇒ 1年猶予または60カ月の分割返済が設定
――です。
延長に延長を重ねたため、貸し出したお金はダムに水がせき止められた状態になっており、その同額は約50兆ウォンに上る――とされるのです。
延長貸出:約47.4兆ウォン ⇒ 返済期限が2025年09月末
利息・元金猶予措置:約2.5兆ウォン
(延長対象に加えての猶予分)
小計:約49.9兆ウォン
「どうすんのコレ」という金額ですが、まともに09月末になったら焦げ付く不良債権も巨額になると想像できます。
実際、韓国金融当局の「読み」では、このうちの30%、約15兆ウォンが不良債権化するのではないか?――というのです※。
※正確には「およそ15兆ウォンが返済不能ラインにある」という見立て。
これは韓国の金融機関の安定性を損ねることになる時限爆弾なのです。
李在明政権は「Bad Bank」の設立を画策
――というわけで、韓国政府は「Bad Bank(バッドバンク)」の設立を画策しています。
ずいぶん前にご紹介しましたが、「バッドバンク」というのは、銀行などの金融機関が保有する不良資産(主に焦げ付いた貸出債権や価値が下がった証券など)を切り離して、管理・処理するために設立される特別目的の機関(SPV)です。
つまり、新たに設立する「バッドバンク」が金融機関から不良債権を引き取って、それを処理するというわけです。
金融機関にとっては、不良債権が切り離されるので助かりますし、借り手は債務が軽減されます。程度はあるものの、借り手にとっては実質的に徳政令みたいなものです。
『韓国資産管理公社』(KAMCO)を中核に据え、官民合同で設置する方式が最有力視されています。
そもそも李在明(イ・ジェミョン)さんは、大統領選挙の際には自営業者などの債務調整を公約に掲げていました。ですから、きっとやるでしょう。
以前もご紹介したことがありますが、韓国というのは定期的に徳政令を出さなければ回らないような国です。家計は借金を積み上げては返済不能になり、徳政令でチャラ(あるいは軽減)――これの繰り返しです。
賽の河原のような国なのです。
(吉田ハンチング@dcp)