物価に影響を与えるのはどんな要因なのか? その01「GDPギャップ」

広告
おススメ記事

前の記事で、竹中正治先生(龍谷大学経済学部教授)の分析の一番面白いところがご紹介できませんでしたので、その続きです。詳細を知りたい人は、『ロイター』に掲載された以下の記事を参照してください。筆者(バカ)の紹介よりも実際に読んでいただいた方が、分かりやすいかもしれませんので。

『ロイター』「日本経済、低インフレから脱却なるか」
http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKBN18Q049?pageNumber=1

日本政府、また日本銀行は「マイルドなインフレ」を目指して経済政策をいろいろやっているわけですが、目標とされる「2%」には全く届きません。物価が上がらないのです。なんで? というわけなのですが、竹中先生は、CPI(Consumer Price Indexの略で、消費者物価指数のこと)の数値と相関の高い要因は何だろか、と分析してみたのです。

挙げられた要因は下の4つです。

1.GDPギャップ
2.輸入物価指数
3.名目賃金の増減
4.マネタリーベースの対GDP比率の変化

このうちCPIと最も関係性の高い要因は何だろうか、というわけです。こういう分析には「重回帰分析」という統計上の手法が使われます。

でもその前に、挙げられた要因、その用語が何のことだか分かりませんね。経済ニュースではよく登場しますが、一般にはあまりなじみのない言葉ばかりです。しかし、知っておくと経済ニュースが面白くなりますので、順々にいきましょう。

■GDPギャプとは? 需要と供給の差を表します!

GDPギャップ」は近年特に経済ニュースで見ることが多くなった言葉ですね。GDPが「国内総生産」の意味で、その国の経済規模などを表す際に使われることは、ほとんどの人が知っているでしょう。では「GDPギャップ」とは何でしょうか?

GDPギャップは「需給ギャップ」ともいわれ、「総需要と供給力の差」のことです。総需要はGDP、総需要は「完全雇用が実現した際の生産量」を使って計算されます。この差で何が分かるかといいますと、

●マイナスになると、需要よりも供給が多い
●プラスになると、供給よりも需要が多い

マイナスのときは、共有の方が多く、つまり物が余っているわけですから、これは物価が下がることになります。そのため、この場合は「デフレギャップ」といわれます。

プラスの場合、需要の方が多く、つまり物が足りないわけですからこれは物価が上がることになります。そのためこの場合は「インフレギャップ」といわれるわけです。

ギャップが大きくなってくると経済的にあまり良くないので、これを埋めるために経済政策が取られます。日本のバブル後は、デフレが進んで「えらいこっちゃ状態」でしたが、これを「デフレギャップが大きい状態だった」みたいに言うこともできます。いまだにデフレ状態をひきずっているともいえるのですが。

すみません、この項さらに続きます。

(高橋モータース@dcp)

タイトルとURLをコピーしました