中国企業『Ant(アント) Group』のIPO(新規株式公開)が市場最大規模となっていることは先にご紹介しましたが、これに関係して椿事がありました。
『アントグループル』には、中国の『Amazon』と呼ばれる『アリババ』の創始者、ジャックー・マー(馬雲)さんが個人的にも出資しています。
実は、2020年10月24日、マーさんは上海で開催された「外灘金融サミット」でスピーチを行い、「中国の金融にはシステムがないので、システムリスクなんかないよ」と述べてしまいました(※もっと上品に格好よく言っています)。
言いたいのは、中国の金融システムはまだひよっこ。監督の方法も緩い。監督方法も変わるべきだ――といったことだったのでしょうが(意訳です)、「システムがないってどういうことだ」「監督が緩いってなんだ」と中国共産党の上層部をえらく刺激したようです。
で、「ちょっとこっち来い!」と呼び出されてしまいました。
これは中国メディア『財新』などに掲載されていますが、マーさんを呼び出したメンツがすごいのです。
・『中国人民銀行』
・『証券監督管理委員会』
・『銀行監督管理委員会』
・『外国為替管理局』
・『証券監督管理委員会』
・『銀行監督管理委員会』
・『外国為替管理局』
の4機関です。中国金融を監督する四天王ですね。
中国の中央銀行はじめこの4つに呼び出されるというのもなかなか経験できないことでしょうが、マーさんの他に、井賢棟さん(アント・グループの董事長)、胡曉明さんの2人も引っ張られました。
中国ではこういうのを「豫談」というそうです。予定を入れて会談を行うことですが、その実は政府機関が監督対象者を呼びつけて叱責、要求を行うとのこと。
10月24日の段階でマーさんの発言は中国、台湾、香港メディアでも注目されていたのですが――やっぱり怒られたようです。
『アント・グループ』の肝心な時期にこんなことで呼び出されたかなわないですね。
(吉田ハンチング@dcp)