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【ココ最近のまとめ】欧州に不穏な動き イギリス・ドイツ・イタリア

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「イギリスのEUからの離脱」、いわゆる「ブレグジット」の視界不良がまだ続いているイギリス。合意なき離脱どころか離脱できるかどうかも怪しくなっています。直近では来たる03月12日、メイ首相の離脱案が議会にかけられます。メイ首相自身は、この案が可決されなければ離脱はどうなるか分からなくなる、と圧力を掛けています。

EU側も盤石ではありません。ブレグジット問題では、これまでのイギリスの態度に怒っている人が多いためでしょう、非常に冷淡に、言葉は悪いかもしれませんが「お役所」のように対応してきました(EU首脳部は「そんなことはない」と言うでしょうが)。

ブレグジットについてはそのままの「感じの悪い態度」で乗り切れるかもしれませんが、経済的な危機についてはそうはいきません。

ECBは金融政策を転換! 金利上昇も2020年以降に

「いよいよ量的緩和も終了だ」なんてぶちあげていたECB(European Central Bankの略:欧州中央銀行)でしたが、ここにきてユーロ圏のGDP成長率の見通しを1.7%から1.1%へ低下させました。ECBのドラギ総裁は金融政策の転換を直ちに決断。

利上げ開始を2020年以降に延期
(これまでは「2019年夏以降」としていた)

TLTRO(Targeted Longer-Term Refinancing Operations)の再導入
銀行に超低金利でお金を貸し付ける「流動性を確保する」ためのオペレーション
2019年09月から2021年03月まで
資金供給は2年間/金利は変動金利(ECB主要リファイナンス・オペ金利に連動)
(3回目の導入なので「TLTRO3」と呼ばれます)

・ECBが保有する国債も「全額」再投資。
(かなりの期間これを継続)

など異例の措置が公表されました。ユーロ圏の本丸はドイツ経済ですが、実はドイツも危ういことになっています。

ドイツ経済、退潮の兆し

アメリカ合衆国・トランプ大統領の全方位ケンカ外交は、ドイツ経済も圧迫しています。合衆国の貿易戦争は中国とだけのものではないのです。実際、EUとアメリカ合衆国の貿易協議はまだ決着がついていません。合衆国がドイツ車に対する関税を中国並に引き上げたらドイツ経済は大きな打撃を受けることになるでしょう。

また、中国がドイツのライバルとなるべく牙を剥(む)いてきたのも問題です。以前、Money1でもご紹介したとおり、中国・習近平国家主席が推進する「中国製造2025」は、アメリカ・ドイツ・日本などの最先端の製造技術を持つ先進国をオーバーテイクしようという計画です。

だからこそ合衆国は必死になってそれを叩きつぶそうとしているのですが、ドイツは中国を「いいお得意さん」と甘く見ていたところがあり、中国の製造技術の進歩によってキャッチアップされた後どうなるか、これについて危機感が足りません。ここにきて、ドイツ国内でも中国に対する見方が厳しくなっていますが、いまだに「ファーウェイを排除しない」などの意見を表明したりしますので、将来的に大変危ないといえるでしょう。

その一方で、EU域内から中国に転びそうな国が出ています。イタリアです。

イタリアはナニがしたいのか!? 一帯一路に参加を表明

自国の予算組についてEUから文句をいわれることに大反発し、EUと揉めていたイタリアですが、ナショナリズム政党の台頭からも分かるとおり、イタリア国民は「反EU」に傾いています。

02月07日には、フランスが駐イタリア大使を召喚しています。大使の召喚は普通「断交の一歩手前」の状態です。これは、そもそもイタリアのルイジ・ディマイオ副首相がフランスの現政権を悩ませる「黄色いベスト運動」の参加者に面会したことに端を発しています。

もともとフランスとイタリアは仲が良い国ではありませんし、フランスの現マクロン大統領は、イタリアを批判することが多かったのですが、それでも大使召喚というのは異常事態といえます。両国ともお互いの関係について甘く考えているからこのようなことが起こるのです。

また03月08日、イタリアのコンテ首相が中国の「一帯一路」に興味を示し、「参加の意向があること」を表明しました。03月22-24日の日程で、習近平国家主席がイタリアを訪問するので、その時に枠組みを決定すると見られています。

ちなみに、中国の一帯一路構想にはG7※のメンバーは今まで参画していません。それは、G7に入る先進国はさすがにバカではないからです。イタリアが参画するとG7からの初めての一帯一路参加国となります。

はい皆さん、ご唱和ください!
「バカじゃねーの?」

※「G7」メンバー
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ

(柏ケミカル@dcp)

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