韓国の極左メディア『ハンギョレ』が面白い記事を出しています。
「『100円=1千ウォン超え』…日本旅行『消えた円安効果』」というタイトルなのですが、冒頭の部分を以下に引用してみます。
来たる5月のゴールデンウイークに大阪を旅行する20代後半の会社員イ・セミさんは、先月27日にあらかじめ両替しておこうと思い、為替レートを調べて驚いた。
1月に両替した時は100円=940ウォン台だった円が、1000ウォンを超えていたからだ。
イさんは「昨年末から円安現象が起こっていたので、円がさらに下がることを期待して、とりあえず40万ウォンだけ両替しておいた。
旅行期間は日本もゴールデンウィークで各種費用が高い時期なのに、円まで急騰するものだから、ぐずぐずしていて損した気分」だと話した。
(後略)
「損した気分」と書いていますが、「知らんがな」という他ありません。
「損した」などというほど変動したのかを確認してみましょう。以下の円ウォンチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用/月足:以下同)。
月足ですので、ローソク足1本が1カ月の値動きを示しています。
記事内にある2023年01月の終値は「1円=9.4782ウォン」です。100円に直すと「100円=947.82ウォン」です。
05月02日14:22現在の終値は「1円=9.7238ウォン」。同様に「100円=972.38ウォン」です。
(ウォンに対する)円安は終わったのでしょうか?
上掲のチャートを見ていただければ分かるとおり、確かに「100円=1,000ウォン」(つまり「1円=1,000ウォン」を抜いた局面)もありましたが、総じていえば、円安・ウォン高状況であることに変わりはありません。
また、ボラティリティーが高いためにそのようなことになるのですが、これはウォンという通貨が脆弱なためです。
月足のママで時間軸を引いてみると以下のようになります。
歴史的に見ても、現在、ウォンは対円で高値水準にあることが分かります。これのどこが「円安効果がなくなった」のでしょうか。
ちなみに、先にご紹介したとおり、韓国は通貨危機前に対円でウォン高が進行する傾向があります。アジア通貨危機前、韓国通貨危機前にも上掲のとおりウォン高がピークに達しています。
つまり、現在の対円でのウォン高というのは、いいサインではないのです。実際、貿易赤字連続によって韓国経済は傾いているのですから。
(吉田ハンチング@dcp)