韓国メディアではまたぞろ「金利が上昇してきた」と報じ始めました。
韓国は不景気に沈んでおり、家計・企業では金融機関からの融資に頼り切っている層が増えています。そのため、金利が上がるのは困るのです。
金利が上昇すると、企業・家計共に資金調達の困難さが増します。企業でいえば、利率を上げないと社債などの債券が発行できなくなりますし、金融機関によるローンの利払いが増加します。低所得層、また中小企業ではキャッシュフローが回らくなるところが増えてしまいます。
Money1でも毎回ご紹介していますが、このような負債の懸念がありますので、『韓国銀行』は5回連続で基準金利(政策金利と同義)を凍結してきました。
現在基準金利は3.50%のママです。
しかしながら、インデックスとなる韓国債3年物の利回りは上昇を続けています。
以下は2023年09月25日15:50現在、韓国債3年物の利回りチャートです(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
日足のまま時間軸を引くと以下のようになります。
『韓国銀行』は基準金利(政策金利と同義)をここのところ据え置いていますが、上掲のとおり利回りは右肩上がりです。利回りが上昇するということは、韓国債が売り込まれているのです。
当然ですが、この利回り上昇は市中金利にも影響しており、銀行ローンの金利も上昇しています。
一部の市中銀行では変動型住宅担保ローンの最高金利が2023年に入って初めて年7.00%を超えました。
2023年08月末時点で年3.38~6.25%だった混合型住宅担保融資の金利が09月22日現在、年3.9~6.469%に上昇しています。
わずか20日間で0.7%ポイント(=70bp)も上がったのです。
急上昇している理由は簡単で、資金調達費用が急上昇しているためです。
満期区分なしに銀行融資金利が上昇する傾向にあるのですが、家計融資の増加傾向は崩れていません。金利が上昇しているにもかかわらず、お金を借りる勢いは止まりません。
09月21日現在で、5大市中銀行の家計貸出残高は「682兆4,539億ウォン」。
04月より再び増加傾向に戻り、08月末より1兆6,419億ウォン増加しました。先にご紹介しましが、08月に1兆5,912億ウォン増加したのに続いて、増加幅は大きくなっているのです。
アメリカ合衆国など主要国通貨政策において、緊縮基調が予想より長くなっており、韓国内金融機関の金利水準の上昇も長期化するだろうと見られます。
これが何を意味するのかといえば、金融機関から借金をした家計の元利金返済の負担がますます増えるということです。これは家計に限りません。企業も同じです。
(吉田ハンチング@dcp)