中国統計局が習近平に導かれ「おかしなこと」を言い出す

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Money1でも先にご紹介したとおり、中国共産党にとって重要な「中央経済工作会議」が終了しました。会議の結果を受けて、政府機関がそれぞれに「習近平国家主席の新時代の中国の特色ある社会主義の思想に導かれ……」という文書を出しています。

導かれて勝手に崖からでも落ちればいいですが、中国の統計局の文書に「?」という部分があるので、以下に該当箇所を引用します。

(前略)
会議では、統計部門は習近平総書記の重要な演説の精神に基づき、思想と行動を効果的に統一し、中共中央委員会の状況判断と意思決定展開の経済業務に統一し、「大国」を重視し、統計国勢調査で真剣に良い仕事をし、炭素排出量の統計会計、デジタル経済の統計会計、知恵統計の建設など統計改革の重点分野をしっかりと推進することを強調した。

われわれは「国家の偉大さ」を重視し、統計調査をしっかり行い、炭素排出量統計、デジタル経済統計、知恵統計建設など統計の重点分野の改革をしっかりと推し進め、統一国家市場の建設を中心に統計会計を行い、統計の質を揺るぎなく向上させる。

内需拡大と供給側構造改革の深化の一体化、新都市化と農村の全面的な活性化の一体化、質の高い発展とハイレベルの安全の一体化を緊密に重視し、統計の監視と分析を強化し、統計データの発表と解釈をよく行い、社会の期待を正しく導くよう努力する。

党の全面的な指導を堅持し、習近平総書記の重要な演説と指示の精神を妥協せずに実行し、統計部門における中共中央委員会の重大な決定と配置の実施を推進する。
(後略)

⇒参照・引用元:『中国 統計局』公式サイト「国家统计局党组传达学习中央经济工作会议精神 强调切实把思想和行动统一到党中央决策部署上来 为做好明年经济工作、推动高质量发展 提供优质高效统计服务」

統計データの発表と解釈をよく行い」になっています。確かに「データを解釈する」ことは必要ですが、中国共産党の場合は、これを自分たちの都合のよいように解釈する傾向があります。

また、自分たちに都合の悪いデータは隠蔽する傾向もあります。2023年08月以降「若い世代(16~24歳)の失業率」の公開がストップしているのはMoney1でもご紹介したとおりです。

ほら始まった「中国統計局が若者の失業率の公表を停止」
先の記事で「統計をごまかす以外の手はあるのでしょうか」と書いたばかりですが……もう始まりました。2023年08月15日、中国の統計局は「調査システムの改善と最適化の必要性を理由に、今月以降、年齢別の失業状況の公表を停止する」と発表しました。...

また、エコノミストに対して中国の商務部が「デフレと言うな」としたのも先にご紹介しました。

中国政府がエコノミストに箝口令「景気回復が遅れてるとか、デフレとか言うな」
『Financial Times』が興味深い記事を出しています。「Chinese economists told not to be negative as rebound falters」(中国のエコノミスト、景気回復の遅れでネガティブに...

メディア記者に対して「国民の信頼を高めるために経済ニュースをポジティブに伝えるよう圧力がかかっている」のです。

統計データを外部に公表する統計局が、「ポジティブな解釈だけ」を選んでリリースしたらどうなるでしょうか。中国当局のデータなど全く信用できなくなるでしょう。中国には透明性などないのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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