韓国は「電気自動車強国」と誇っていますが、足元が危ないです。中国産の電気自動車の猛攻を受けているのです。
特に「電気バス」の分野で韓国市場は蚕食されています。以下の中国産電気バスの販売台数と市場シェアの推移をご覧ください。
2023年は中国産の電気バスは「1,522台」売れて、とうとうシェアが「54.2%」に到達しました。
↑例えば中国『BYD』の電気バス「K9」。12mの大型バスで「走行距離250km/1回の充電」
なぜこんなことになるかというと、そもそも価格が安いのと韓国政府(地方政府含む)が出している補助金のせいです。
まず中央政府の環境部の補助金が「7,000万ウォン」あります。次に国土交通部が低床バス対象の補助金「9,200万ウォン」を出してくれます。
地方政府によりますが、首都圏の京畿道の場合、バス会社が電気バス1台を購入するたびに最大「1億1,200万ウォン」の補助金を給付します。
合計すると「2億7,400万ウォン」。ざっくり1/10で日本円に換算すると補助金が「2,740万円」にもなるのです。
そもそも電気バスの相場というのが以下のような価格です。
韓国産電気バス:4~5億ウォン
中国産電気バス:3億ウォン
もともと中国産電気バスは韓国産と比較して1~2億ウォン安いのですが、補助金がフルフルで「2億7,400万ウォン」利用できたとして、導入費用は、
韓国産電気バス:1億2,600万~2億2,600万ウォン
中国産電気バス:2,600万ウォン
と桁違いに安くなります。実際には、ここまで差が出ないとしても、例えば『毎日経済』は「購買補助金を適用すれば、バス会社が中国産電気バスを導入するのにかかる費用は、国産車の半分にもならない」と書いています。
いかに愛国心の持った経営者でも、導入費用が半額以下になるのなら、フラフラと中国産電気自動車の購入申請書にハンコをついてしまいそうです。
また、ハンコをついた経営者が実際に多いから、中国産の電気バスは韓国で市場シェアを伸ばしているのです。
そもそも中国産と価格勝負をしても勝てません。これからも中国産電気バスは韓国市場を蚕食するものと見られます。欧州やアメリカ合衆国のように歯止めをかけないと、韓国の電気バスは駆逐去れてしまうかもしれません。
もっとも、中国産電気バスに制限をかけたらかけたで、またぞろ中国商務部と外交部が韓国政府を圧力をかけるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)