中国外交部が「さあそうでしょうか?」と疑問を呈したくなる発言を行いました。
2024年05月01日、アメリカ合衆国のアントニー・ブリンケン国務長官が、『WHO』に対して「台湾が2024年の世界保健総会にオブザーバー参加すること」を認めるように声明を出しました(奨励するという言い方です)。
中国はいうまでもなく「台湾は中国の一部である」という立場で、台湾が独自に国際機関に参画しないように外国に圧力を掛けています。
中国による台湾の呼称は「島」であり、外交部の報道官は「島には総統などいません」と言います。
今回のブリンケン国務長官の発言は、中国には到底認められるものではありません。中国外交部は以下のように合衆国を批判しています。
<質問>
05月01日、アントニー・ブリンケン合衆国・国務長官は声明を発表し、合衆国は『WHO』に対し、台湾を今年の世界保健総会にオブザーバーとして招待するよう強く奨励すると述べた。中国のコメントは何ですか?
<回答>
合衆国の当該声明は「一つの中国」原則と3つの米中共同コミュニケに対する重大な違反であり、中国はこれに対して強い不満と断固とした反対を表明する。中国は世界に一つしかなく、台湾は中国の領土の不可欠な部分である。
『WHO』の活動を含む国際機関への台湾の参加問題に関する中国の立場は一貫しており、明確である。
つまり、「一つの中国」の原則に従って扱われるべきである。この原則は、国連総会が決議2758で、世界保健総会が決議25.1で確認した基本原則でもある。民進党当局が「台湾独立」という分離主義の立場を頑なに堅持しているため、台湾が世界保健総会に参加する政治的根拠が失われている。
合衆国側の関連声明は紛らわしく、本質的には「台湾独立」分離主義活動を容認し支持している。
台湾問題は中国の核心的利益の核心であり、中米関係における最初の越えられない越えられない一線である。
われわれは合衆国に対し、「一つの中国」原則と3つの米中共同コミュニケを遵守し、国際法と国際関係の基本規範を遵守し、「台湾独立」を支持しないという合衆国指導者の決定を履行するよう改めて求める。
「台湾独立」、「2つの中国」、「1つの中国、1つの台湾」を支持しないという合衆国指導部の公約を実行に移し、『WHO』会議を利用して台湾関連の問題を利用することを止め、「台湾独立」を求める分離主義勢力に誤ったシグナルを送ることを控えなければならない。
「一つの中国」の原則は国際社会によって広く支持されており、これを否定はできず、止めることもできない。
「台湾カード」を切り、「台湾を利用して中国を封じ込めよう」という試みは国際社会から断固として反対され、失敗する運命にある。
台湾独立のカードを切って中国を封じ込めようとしても国際社会からは断固として反対されるだろう――と述べているのですが、さあ果たしてそうでしょうか。
合衆国が台湾独立を支持するなら、自由主義陣営国は後に続くのではないでしょうか。もっとも、台湾側がまだ準備できていないようですので、スグには無理でしょうけれども。
(吉田ハンチング@dcp)