実に韓国らしい話なのでご紹介しておきます。
韓国の高速鉄道GTX-Aが乗り入れている三星駅の地下で「鉄筋抜け」が発覚して、これが大問題になっています。特に(メディアが)問題視しているのは、発覚してからほぼ半年もかかって国土交通部に初めて報告が出たことです。
ソウル市がちゃんと管理できていないのではないのか――と国土交通部は監査に乗り出すことになりました。
ソウル市の市長は保守寄りの呉世勲(オ・セフン)さんですから、邪推するなら「政治的な意図」があるのでは――と思えないでもありません。
以下に経緯をまとめます。
永東大路地下複合乗換センター、GTX-A三星駅付近の地下5階で、施工ミスがあり、鉄筋が抜けていたことが判明しました。

↑地下に深い施設での鉄筋抜けが発覚しました。
韓国メディア『MBC』は、地下5階の柱228本のうち、『現代建設』が担当した3工区の柱80本すべてで問題があり、「鉄筋束ごとに2本入れるべき直径約30mmの主鉄筋を1本ずつしか入れていなかった」と報じています。
原因については、設計図の「2本施工」の表示を作業者が見落とし、1本だけ施工したという『現代建設』側の説明が報じられました。
『MBC』の報道を以下に引用してみます。
↑工事中の同施設の写真。『現代建設』が施工を担当した第3工区200メートル区間で、鉄筋が抜けていたことが判明しました。
最も下の階である地下5階にはGTX-AとGTX-Cの線路が敷かれており、線路の間ごとにコンクリート柱が20本ずつ、4列に立てられています。
高さ8メートル、縦横1メートル程度の大型角柱です。
柱の中には、直径29~32ミリの太さの鉄筋が2本ずつ1組で、びっしり入らなければなりません。
核心的な骨組みの役割を果たすことから、主鉄筋と呼ばれます。
ところが、この主鉄筋が本来計画の半分しか使用されていなかったことが確認されました。
図面には主鉄筋を2本ずつ束ねて使うようになっているのに、1本ずつしか入れていなかったのです。
鉄筋が抜けていた柱は、第3工区に施工された80本すべてであることが確認されました。
柱1本当たり、少ないものでは24本、多いものでは36本の鉄筋が抜けており、約2,570本が欠落していたことが判明しました。
2025年11月10日
『現代建設』と監理団が、地下5階柱の施工エラーをソウル市に初めて報告しました。
ソウル市も公式説明で「2025年11月、自体品質点検過程で一部鉄筋の欠落を発見し、自主報告した」としています。
2025年12月19日
監理団が柱の補強案を検討し、ソウル市に報告しました。
2025年12月30日
ソウル市は外部専門家の意見を反映し、構造物補強案の施行計画を立てました。
2025年12月〜2026年03月
ソウル市、監理団、施工会社、外部専門家が現場点検と柱補強案の妥当性を検討しました。ソウル市によれば、合同現場点検は19回、外部専門家の諮問会議は1回行われました。
2026年03月17日
施工会社が柱補強の最終施工計画書をソウル市に提出しました。
2026年03〜04月
ソウル市が最終施工計画書を検討しました。
2026年04月24日
ソウル市が国家鉄道公団に、柱の懸案事項に関する資料を共有しました。
2026年04月29日
ソウル市が国土交通部に柱関連事項を通報しました。
※ここが問題視されています。
国土交通部側は、ソウル市が2025年11月に施工ミスを認知していたのに、2026年04月29日になって初めて報告したとして、事業管理に問題があると見て監査に入りました。
2026年04月29日〜05月08日
国土交通部主導で、複合乗換センター地下5階構造物に対する緊急安全点検が追加で行われました。
2026年05月15日
『MBC』が「GTX三星駅区間で鉄筋が半分抜けていた」と報道し、国土交通部がソウル市と国家鉄道公団に対する監査着手を明らかにしました。
『MBC』によれば、80本の柱のうち30本は構造的に大きな問題はないが、50本は基準値を満たしていないと国土交通部が説明した、とのことです。
2026年05月16日 ←今ココ
ソウル市が公式の「ファクトブリーフィング」を出し、鉄筋欠落確認後の対応経過を公開しました。
ソウル市は、補強後の軸荷重強度は当初設計基準58,604kNより高い60,915kNになると専門家が確認した、追加工事費約30億ウォンは現代建設が全額負担する――と説明しています。
鉄筋が抜けてました――理由は「作業員が設計図の指示を見落とした」から、です。
ケンチャナヨ精神の現れとしか申せませんが、実に韓国らしい話です。
(吉田ハンチング@dcp)






