習近平さんはじめ中国政府は「内需の回復」などというお題目を唱えてはいますが、実質はまったく伴っていません。「回復」という言葉を使ってよい局面ではありません。
2026年08月17日、中国の国家統計局が「2026年1—7月份社会消费品零售总额增长1.2%(2026年01~07月の社会消費品小売総額、1.2%増)」のデータを公表しました。
タイトルにもなっていますが、01~07月の消費小売総額が対前年比でたったの「1.2%」しか増加していないのです。名目の小売売上高ですから、物価変動も含んでこの伸び率です。異常な低成長というほかありません。
以下にまず全体像を述べた部分を引用します。
2026年01~07月の社会消費品小売総額、1.2%増
2026年08月17日 15:00
出所:国家統計局01~07月の社会消費品小売総額は28兆7,744億元で、前年同期比1.2%増となった。
このうち、自動車を除く消費品小売額は26兆5,142億元で、2.7%増となった。
07月の社会消費品小売総額は3兆9,022億元で、前年同月比0.6%増となった。このうち、自動車を除く消費品小売額は3兆5,892億元で、2.5%増となった。
経営事業者の所在地別に見ると、01~07月の都市部の消費品小売額は24兆9,285億元で、前年同期比1.1%増、農村部の消費品小売額は3兆8,459億元で、2.4%増となった。
07月は、都市部の消費品小売額が3兆3,780億元で、前年同月比0.5%増、農村部の消費品小売額が5,242億元で、1.6%増となった。
消費形態別に見ると、01~07月の商品小売額は25兆4,922億元で、前年同期比1.1%増、飲食収入は3兆2,822億元で、2.6%増となった。
07月は、商品小売額が3兆4,455億元で、前年同月比0.5%増、飲食収入が4,567億元で、1.4%増となった。

上掲は「社会消費品小売総額の前年同期比伸び率」の月次の推移ですが、2026年07月の前年同月比はったの0.6%増しかありません。
しかもこれは物価変動を差し引かない名目値です。同月のCPIが0.5%上昇していたことを考えれば、実質ベースではほとんど伸びていません。
小売売上高に対応する適切な物価指数で実質化した場合、マイナスになっていても不思議ではないほど弱い数字です。
次に以下のグラフは「図2 消費形態別の小売額の前年同期比伸び率」ですが、「社会消費品小売総額+0.6%」の中身が分かります。

↑青色の線は「商品零售额」(商品小売額)、黄色の線:「餐饮收入」(飲食収入)です。
2026年07月の商品小売額は名目でわずか「+0.5%」です。一方、飲食収入も「+1.4%」にすぎません。
特に商品小売は04月▲0.1%、05月▲0.7%と実際に名目マイナスを記録した後、06月+0.9%、07月+0.5%ですから、非常に弱い数字・推移です。
上掲で「自動車を除く消費品小売額は26兆5,142億元で、2.7%増となった」と国家統計局は書いていましたが、ではその「自動車」の消費がどうなっているのか見てみましょう。
アイテムごとの消費状況はが表組にまとめられています。以下をご覧ください。

自動車は2026年07月単月で「3,130億元」、対前年同期比「-17.0%」。01~07月累計にすると「2兆2,602億元」で「-13.2%」という大惨敗な結果です。
先に『BYD』の自動車が売れなくなってきている――という件をご紹介しましたが、要するに中国内で自動車が売れなくなっているのです。
ただし、自動車だけの問題と見るのもいけません。
(07月単月で)一定規模以上の商品小売全体が▲3.8%で、家具▲8.8%、家電・AV▲1.9%、宝飾品▲10.1%、スポーツ・娯楽用品▲10.6%、建築・内装資材▲14.2%です。
この表から見えるのは、「自動車販売の急減が最大級の下押し要因である一方、耐久消費財などにもかなり広範囲に弱さが出ている」という状況です。
注記どおり、これらはすべて物価を差し引く前の名目値です。中国経済が回復している――というのは、どこの世界線の話なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)






