韓国のフラッグ・キャリア※の航空会社『大韓航空』が倒産の危機に瀕していることは先からご紹介しているとおりです。
会社を存続させるために資産の売却などを進めているのですが、この件で面白い報道が出ました。
要旨は以下のとおりです。
①『大韓航空』は、ソウル市の鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に敷地面積「3万7,000平方メートル」の広大な空き地を所有している。
②『大韓航空』はこれを「5,000億ウォン」で売却して資金繰りに充てたい。
ところが、ソウル市が勝手にこの空き地を公園に整備する計画をぶち上げた。
③当然『大韓航空』は「ふざけるな!オレの土地だぞ」とカンカン。
となったのです。
この騒動を報じる2020年05月28日付けの『朝鮮日報』の記事から一部を引用します。
(前略)
コロナ事態で売上高が80%以上急減した『大韓航空』は、財務構造の改善のために、この敷地を適正価格で売らなければならない状況なのに、ソウル市はまるで自分の土地であるかのように公園開発計画を発表した。(中略)
財界では「ソウル市が開発許可権を武器に私有地である土地を公園にすると押し通すのは、市場経済体制ではあり得ない公権力の横暴」との批判が出ている。
(後略)
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「5,000億ウォンの大韓航空土地、2,000億で欲しいとソウル市」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
財界の意見が至極もっともだ、と思われるでしょう。
その上、以下のような話が続くのです。
④「じゃあ、その土地買おうじゃないの」とソウル市が相談を持ちかける。
⑤「5,000億ウォンだよ」と『大韓航空』が答える。
⑥「2,000億ウォン(台)で買うよ。それでいいだろ」とソウル市が言う。
⑦『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
――という次第です。
再び同記事から引用します。
『大韓航空』所有の「鍾路区ソンヒョンドンにある空き地」(敷地面積3万7,000平方メートル)を公園に造成する、という方針をソウル市が28日に発表すると、趙源泰(チョ・ウォンテ)韓進グループ会長は、この土地はソウル市には売らないと明らかにした。
(後略)
(前略)
ソウル市が希望する売却代金は、時価(5,000億ウォン)に比べてとんでもなく低い2,000億ウォン水準であると伝えられた。会社正常化のために一銭が惜しい『大韓航空』が受け入れ難い金額だ。
(後略)
ともめているのです。
こういうのを「人が困ってるときに足元見やがって……」というのではないでしょうか(笑)。今にも飛びそうな『大韓航空』を相手にまあひどい話です。
一方で韓国政府は「基幹産業である航空業界を救う!」なんて言ってるんですよ。まあ中央政府と地方自治体で意見が違うのかもしれませんけれども。
追記
本件の続報がありましたので以下の記事にまとめました。ひどい話が続いています(笑)。
※フラッグ・キャリアとは、国旗を背負って飛ぶ、その国を代表する最大手の飛行機会社のことです。
(柏ケミカル@dcp)