飛びそうで飛ばない韓国『アシアナ航空』ですが、まだもめています。そもそも2019年に実質破綻していたようなものなので、このままいけるわけではないからです。
全くご存じない方のために至極簡単に、この面白い(止まっている)買収劇の顛末をまとめます。
第1幕
①韓国2番目の規模の航空会社『アシアナ航空』の経営が傾く
②財閥系企業『HDC現代産業開発』が『アシアナ航空』の買収に名乗りを上げる
③2019年末に買収について合意
幕間喜劇
ここまでは順調で、『HDC現代産業開発』はHDCグループ(HDCはHyundai Development Companyの略)ですが「これからは総合モビリティーだ」なんて喜んでいたのです。
ところが、新型コロナウイルス騒動のため『アシアナ航空』の経営状態はさらに悪化。仕方がないので韓国の国策銀行である『産業銀行』『輸出入銀行』が支援のためお金を突っ込むことになりました。
第2幕
④『アシアナ航空』の経営状態はさらに悪化し、借入金が増加
⑤『HDC現代産業開発』が買収やめた!と言いだす
⑥交渉は決裂し「買収はとりやめ」状態に
――なので、『HDC現代産業開発』としては『アシアナ航空』買収はやめた状態なのですが、それでは『産業銀行』『輸出入銀行』の債権団が困るわけです。
『アシアナ航空』をきちんと再生しないといけないので、『産業銀行』は『HDC現代産業開発』に「元の契約どおり買えってば!」と交渉しているのですが、『HDC現代産業開発』は首を縦に振りません。
そこで、『産業銀行』は「しゃーない。追加で1.5兆ウォン支援するから買えってば!」と、なったと。
これを伝えた韓国メディア『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。
李東杰(イ・ドンゴル)『産業銀行』会長が鄭夢奎(チョン・モンギュ)『HDCグループ』会長との「最後の談判」で、『アシアナ航空』の『HDC現代産業開発』による買収について、合計1兆5,000億ウォン規模の追加支援策を提案したと伝えられた。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「アシアナ買収時、1.5兆追加サポート」
「最後の談判」というのが泣かせる点ですが、債権団の国策銀行としてはなんとしてでも『アシアナ航空』を引き受けさせたいのですが、『HDC現代産業開発』は承諾していません。
「飛ぶや飛ばざるや」ですが、さてどうなるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)