「中国最大の半導体メーカー」が米ブラックリスト入りか。合衆国は「半導体素材・部品・装備」も断つ気だ

広告
おススメ記事

『Reuters』に大きなニュースが出ました。中国最大の半導体メーカーとして知られる『SMIC』(Semiconductor Manufacturing International Corporation:中芯国際集成電路製造)をアメリカ合衆国商務省が「エンティティリスト」に入れる可能性があるとのこと。

半導体製造に必須の「素材・部品・装備」を断つ気!

エンティティリスト」はいわゆるブラックリストで、ここに掲載された企業に製品を輸出、出荷する際に当局の厳しい管理を受けることになります。事実上、当該企業への出荷が不可能になると考えなけれなばなりません。

先からご紹介しているとおり、合衆国は中国への半導体供給を断とうとしています

今回、中国最大の半導体メーカーをエンティティリストに加える狙いは、半導体製造に必須の素材などを断つつもりなのです。韓国の言い方を借りれば「素材・部品・装備」です。

これらがなければ、半導体工場があっても何もできません。

オランダ企業『ASML』が中国に狙われている

実際、先にご紹介した王毅外相がオランダを訪問した際には、オランダ企業『ASML』が話題になったという報道(ただし推測『Bloomberg』)が出ています。

『ASML』は、半導体製造の「リソグラフィ工程」で使われる露光装置で大きなシェアを有する企業です。かつては日本の『Nikon』がトップシェアを持っていたのですが、現在では『ASML』が8割強(2019年売上高)となっています。

半導体自給を目指す中国にとっては絶対に必要な装置とそれを製造している企業だけに注目されているわけです。

合衆国はオランダに圧力を掛け、「中国企業に対する露光装置の輸出許可」をオランダ政府に取り消させました(2019年)。以降も輸出許可ライセンスは更新されてはいませんし、出荷も報告されていません。

どこまで縛れるかが問題

一応、「合衆国の技術が25%以上使われているもの」を出荷する際には合衆国の許可が必要という建付になっていますので、それ未満のものならOKというわけですが、それでも合衆国は圧力を掛けるでしょう。

例えば、上記の露光装置は『Bloomberg』の報道によれば「合衆国の技術が25%以上使われているとはいえない」という結論だったにも関わらず、オランダ政府へ圧力を掛けて出荷を停止させたのです。

日本の半導体製造に関わる素材・部品・装備のメーカーもこのような合衆国からの圧力にさらされる可能性があります。日本産の素材・部品・装備がなければ中国は相当困ったことになるでしょうが、各企業の業績に大きな影響を与えそうです。

(柏ケミカル@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました