世界的な「ドル高」を解消するために、2020年03月19日にアメリカ合衆国のFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)はそれまで5つの中央銀行とだけ締結していた「ドル流動性スワップ」の契約を拡大。9つの中央銀行とも締結することにしました。
この9つの中央銀行の中に『韓国銀行』も入っており、ウォン安が危機的な状況にまで進行、ドルが枯渇してドボン寸前だった韓国は救われたわけです。韓国ではこのドル流動性スワップを「韓米通貨スワップ」と呼んでいます。
コロナ禍による世界的なドル不足が『FRB』の決断を促したわけですが、現在のドル流動性スワップの現在の利用状況を見てみましょう。
⇒参照・データ引用元:『NY連邦準備銀行』公式サイト「中央銀行の流動性スワップオペレーション」
上記は2021年04月22日の最新の公表データですが、ほぼ利用残高はゼロになっております。残高があるのは3行のみ。
『欧州中央銀行』:2億5,250万ドル(約272億4,475万円)
『スイス国立銀行』:5,000万ドル(約53億9,500万円)
『メキシコ銀行』:4億ドル(約432億円)
小計:7億250万ドル(約757億9,975万円)
『スイス国立銀行』:5,000万ドル(約53億9,500万円)
『メキシコ銀行』:4億ドル(約432億円)
小計:7億250万ドル(約757億9,975万円)
というわけで、常設以外のドル流動性スワップでまだ利用しているのは『メキシコ銀行』だけです。もちろんこの後何が起こるかは分かりませんが、緊急で締結した9行のぶんはほぼ役割を終えたといえます。
現在、2020年03月19日に締結されたドル流動性スワップ(『FRB』の原文では「temporary」が付くのであくまでも「一時的な」もの)は「2021年09月30日」まで延長されています。
まだ少し先ですが、『FRB』がこれを再再々延長するかどうかが見物です。また、そのときの韓国の反応も。
(吉田ハンチング@dcp)