イタリア政府の予算組みがEUの規律に反するとして、欧州委員会がEU史上初の予算是正勧告を行う可能性が出ています。イタリア予算の歳出(予定金額)がEUの目標とする基準を上回っており、このまま違反を押し通した場合「国内総生産比0.2%相当の有利子預託金」が課される可能性があります。
イタリアの予算に対するEUからの警告はこれまで発し続けられたのですが、イタリア政府は「大きなお世話だ」とばかりに無視し続けました。EUの根本的な問題が露呈した形です。EUからの統制を厳しく受けますが、自国の独自通貨を持っていないために、(独自通貨を持つ)普通の国ならでできる金融政策が取れないのです。ある意味、かつてギリシアに起こったことが、形を変え時間を飛び越えてイタリアに起こっているといえます。
政府の権限と国民に対する義務、これがEUと対立するとき、政府はどうするのか? イタリア政府が直面しているのはまさにこれです。欧州統合は光り輝く大義かもしれません。しかし大義は見方によっては空疎なお題目であって、それでおなかが膨れるわけではありません。
解決策は極めてドラスティックな一手しかないのですが、お分かりになるでしょうか?
(柏ケミカル@dcp)