2021年12月03日、『韓国銀行』が11月末時点の外貨準備高を公表しました。以下です。
外貨準備高:4,639億ドル(約52兆3,279億円)※1
(前月比:53億ドル減少)<<内訳>>
⇒Securities 4,209億ドル(約47兆4,775億円)
(証券類)
前月比:25億ドル増加⇒Deposits 182億ドル(約2兆530億円)
(預金)
前月比:76億ドル減少⇒SDRs 154億ドル(約1兆7,371億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:2億ドル減少⇒IMF position 46億ドル(約5,189億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:1億ドル減少⇒Gold 48億ドル(約5,414億円)
(金)
前月比:増減なし※1円換算は2021年12月04日「1ドル=112.80円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「公式外貨準備(2021年11月)」
当月の特徴は、なんといっても現金たるDeposits(預金)が「76億ドル」(約8,460億円)も減少していることです。
韓国銀行は「ドル以外の外貨のドル換算金額が減少したから」と説明しています。以下のドルの強さを示す「DXY」の「月足」チャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
確かに11月はドル高が急伸しています。ドル高ということは他の通貨が安くなることなので、ドル換算した際にドルは減るでしょう。しかし、『韓国銀行』の説明によれば、外貨準備高の資産の多くはドル建てのはずなのです。
それは置くとしても、Securities(証券類)が25億ドル増加しています。減少した76億ドルのうち25億ドルがSecurities(証券類)になったとして、残り51億ドル。これがなぜ減ったのかです。
『韓国銀行』は外貨準備高の主な変動理由は、以下の7つのケースがあると説明しています。
①外貨の売買
②外貨準備を運用した結果の収益
③「ドル以外の外貨資産」の為替レートによる評価額の変動
④国内金融機関に外貨を融通した場合
⑤外貨預金の支払準備金が変動した場合
⑥「外国為替平衡基金債券」(略称:外平債)の発行と償還
⑦国際機関への出資⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済教育」
今回の減少理由も③だといっているわけですが、先にご紹介したとおり、③についてはきちんと計上しているのか非常に疑問です。
こういうのはいかがでしょうか。今回の現金ドルが減少したのは、①が理由で、上掲のとおりドルが強くなる中、ウォン安阻止のためにドルを溶かした――というのは。
(吉田ハンチング@dcp)