2021年12月06日、中国『恒大集団』が、先にご紹介した「デフォルトするかも」に続いてプレスリリースを出しました。以下をご覧ください。
以下がその全部と和訳です。
当グループが現在直面している業務上および財務上の課題に鑑み、当社の取締役会(以下、「取締役会」)は、中国恒大集団のリスク軽減委員会(以下、「リスク軽減委員会」)の設置を決議しました。
リスク軽減委員会は、当社グループの現経営陣、特定の大手企業の役員、専門家など、多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。 具体的には、以下のとおりです。
委員會成員
在風險化解委員會
擔任職務 背景
許家印先生 主席 董事會主席及本公司執行董事
劉志鴻先生 聯席主席 粵海控股集團有限公司副總經理
潘大榮先生 委員 本集團財務總監及本公司執行董事
趙立民先生 委員 中國信達資產管理股份有限公司副總裁
李鋒先生 委員 廣州越秀集團股份有限公司首席資本運營官
陳勇先生 委員 國信證券股份有限公司合規總監
郝瀚先生 委員 北京市中倫律師事務所合夥人取締役会の委員会ではありませんが、リスク軽減委員会は、グループの将来のリスク軽減において重要な役割を積極的に果たしていきます。
取締役会は、リスク軽減委員会のメンバーの豊富な経験と、彼らが動員できる幅広いリソースが、当グループが現在直面している様々な困難をよりスムーズに解決することを可能にすると考えています。
この点で、取締役会は、リスク軽減委員会の設置および運営が、当社グループおよびすべての株主(少数株主を含む)全体にとって有益であると考えています。
取締役会は、リスク決議委員会の設置・運営が、当社グループおよびすべての株主(少数株主を含む)全体にとって有益であると考えています。
当社の株主およびその他の投資家の皆様におかれましては、当社の有価証券を取り扱う際には十分にご注意ください。
⇒参照・引用元:『恒大集団』公式サイト
※比類なき翻訳エンジン『Deepl』を用いました。
「リスク軽減委員会」なるものを作って、現在の流動性の困難に当たるとしています。取締役会ではないが……というのは、経営判断を行う最高意思決定機関ではないがという意味で、すなわち全く異例ながら、ボード外のこの委員会が『恒大集団』の舵取りを行うという宣言に読めます。
注目すべきはメンバーです。
『中國信達資產管理』は国営金融企業ですが、いわゆるバッドバンクの役割を担い、不良債権処理を行った過去があります。
『廣州越秀集團』は光州に本社を置く国有企業で、不動産・交通インフラ・銀行・食品など多岐にわたる事業子会社を有しています。『北京市中倫律師事務所』は法律事務所です。
あくまでも筆者の推測ですが、この「リスク軽減委員会」は中国当局の命を受けて、『恒大集団』の解体処理を行うメンバーを集めたように見えます。
不良債権を『中國信達資產管理』が引き受け、生存できる事業を『廣州越秀集團』が受け取り、『北京市中倫律師事務所』が法律的差配を行うというわけです。
さて『恒大集団』はこの委員会によって解体処理されるのでしょうか。ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)