日本でもアメリカ合衆国でも「日米韓の連携」といい、この言葉はよく使われます。
しかし、この「日米韓の連携」は日本の政治家は使うべきではない、と鈴置高史先生が指摘していらっしゃいます。
鈴置先生は韓国に対して非常に正確で透徹した視点をお持ちです。今回は、鈴置先生の指摘についてご紹介します。
少し長くなりますが、以下に引用します。韓国が東京オリンピックをボイコットする・しないで紛糾していた時期に放映されたBSフジの番組での発言です。
(前略)
よく自民党の先生でいまだに「日米韓」って言っている人がいて、大丈夫かなと思います。だいたい外務省出身の人が多いんですけどね。
――だって、あれは言わなくなったらオシマイだから、蛮勇を奮って口にしている感じも僕は受けるんですけど……口にするのも意味はない、みたいな、そういう感じですか。
口にするとかえって……あの、韓国が甘えてきますからね。「まだ大丈夫だ」と。だから、ありゃ言っちゃいけないんですよ。
私らのような一般人が言うのはいいけど、政治家の人が言うとね、「あ、まだ大丈夫だ」と。
「日本はまだ許してくれるだろう」と思っちゃうわけです。
――そういう……なんと言ったらいいんですか、国柄というか、政治風土? 皮膚感覚? そういうものだと見た方がいいっていう意味ですよね。今の話は。
それはですね、実に面白いところで、例えば韓国はすぐ「東京オリンピックをボイコット」って言うんですよ。(日本が:筆者注)嫌がるだろうと思うんですよね。
――議員レベルでね。
議員レベルでね。日本人の多くは「おぅ、来るな、来るな」って感じになるじゃないですか。
そこの意識のギャップが大きいんです。
それはなぜかっていうと、やっぱり属国っていうのを長い間やってくると、朝貢国に対して、オレがお前に従っているからこそ、お前は存在してるんだよ――っていう意識になってくるわけだ。
非常にねじこまってるわけです。
つまり、韓国の……朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の歴代王朝の属国だったわけです。
朝貢してたんです。
圧倒的に力が違うけど、唯一の朝鮮半島側の誇りは……カードは、「オレがお前に従ってやってるから、お前は帝国を維持できる」。「皇帝ってのは全ての世の中を支配する、オレが従ってやってるからだよ」――というのが最後にあるわけです。
やっぱりそれがですね、その意識がいまだに残ってて、アメリカに従ってやってんだからアメリカはオレのいうことを聞くべきだ。
これがね、米韓同盟見てても面白いギャップになってくるんです。
アメリカ人はね、ドライですから、そんなことを考えずに同盟なんだから、オレのプラスになることをしろ、と、オレはお前のプラスになることをしてやる。ギブ&テイクだ、って言うわけじゃないですか。
まあそれは普通の発想ですよね。
だけど韓国人の方は、まさに朝貢してるつもりですから、「アメリカ側にいるだけで私はなんかアメリカからもえらてしかるべきである」という発想になってくる。
これはですね、アメリカ人に私のへたな英語で説明しても非常に難しいんですけれども、ただアメリカ人の中でも面白くて、唯一「はっ」と理解する人がいて、それはね、東欧圏から来た人なんです。
それはね、旧ソ連と東欧圏の関係はそこまでじゃないけれど、やっっぱりそういう意識がある。
――ワルシャワ条約機構加盟国はソビエトからの経済的な支援をもらって当然だと思っていた?
いや、そこまでハッキリとしてはいないけど、そのアナロジーで考えればいい。
だからルトワックさん(アメリカ合衆国の国際政治学者エドワード・ルトワック/ルーマニア出身:筆者注)は、彼は韓国人のメンタリティーをよく見てるんです。
それ以外でもアメリカ人の書いたもの読んでて、この人、よく、あの韓国人のメンタリティー理解してるな、韓国語やってるわけじゃないのにな、って調べると……だいたい東欧から来た人なんです。
(中略)
そういう感じ。だから、今、真田先生は銀行での世界を話されてたけれども、商社の人も同じことを言ってましたね。
よく韓国人が「今回だけ助けてくれ」って言って、助けてやる。例えばアメリカがですね……
――それ、あの慰安婦問題とかのね、なんたら談話っていうときにも、日本政府の関係者に聞くと、「もう今回これで最後だから談話出して」って、で「基金積んで」って……、で、終わるとまたなくなって「次の談話出して」「基金積んで」……これは同じ……
同じです。商社の人が、「今回だけ助けてくれ」って言うと助けると……見返りがあるかなっていうと……一切ない。「ですから韓国とはギブ&テイクはできないんですよね」って話をしておられました。
(中略)
アメリカと日本に対して特にそうなんでしょうね。「オレたちは西側にいてやるんだから」。
だからアメリカ人もときどきこぼしますよね。
例えばよく……これは韓国の新聞にも出たエピソードだけど、日本の外交官ってのはアメリカが困ったときに「なんか私たちにできることはありませんか?」と聞いてくる。
韓国の外交官はアメリカが困ったときにつけこんでくる、っていうね。だから非常に不愉快だよねっていうことを言うそうですね。
(後略)
Money1では何度もご紹介していますが、韓国は「同盟」というものを理解していません。
同盟とはお互いに利益をもたらすものでなければならず、その利益が片務的なものになれば同盟は解消されます。また、同盟を維持するためには、お互いが「相手にとって利益をもたらす存在である」ように努力し続けなければなりません。
韓国は、同盟を「韓国が一方的に利益を享受できるもの」と考えている節があります。
これは、鈴置先生のおっしゃる「ギブ&テイクができない国」というご指摘にまさに符合します。
つまり、韓国と同盟関係を結ぶのは無理です。相手に与えることを理解できず、相手からもらうことばかりを考えているのですから。
さらに突き詰めれば、「韓国に言うことをきかせるためには圧倒的な力で支配するしかない」という結論にも至ります。実際、中国はそのような方向で韓国を扱っています。
ネット上で「中国は韓国の扱い方をよく知っている」などといわれますが、真実を言い当てているといえないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)