ロシア経済が自由主義陣営から切り離されつつあり、ソ連時代のようなビンボな光景に戻りつつあります。自由主義陣営国の大手企業が猛烈な勢いでロシアから撤退しています。
日本では「マクドナルドが撤退!ロシア市民も名残惜しげ」といった報道が出ていたりしますが、そんな牧歌的な話ではありません。
ロシアメディア『タス通信』に「どんな外国企業とブランドがロシアでの仕事中断したのか」という記事が出ています(03月22日付け)。
この記事から、長くなりますがロシアから撤退する企業を挙げた部分を引いてみます。
きっと皆さんも驚かれると思います。
<<航空機用機器・車両>>
航空機メーカーの『ボーイング』、『エアバス』、『エンブラエル』は、ロシアの航空会社に対する航空機のスペアパーツの供給、そのメンテナンス、技術サポートを停止している。
スコルコボにあるボーイング社のトレーニングセンターも業務を停止している。
自動車メーカーの『メルセデス・ベンツ』『BMW』『ボルボ』『MAN』は、輸出を一時的に停止し、ロシアでの現地生産も凍結することを決定した。
『フォード』も操業を停止している。
『スズキ』『ホンダ』『マツダ』は車やバイクを供給しない。
『ゼネラルモーターズ』と『スカニア』は自動車の納入を停止し、『日産』はクロスオーバーのパスファインダーの納入を停止している。
『フォルクスワーゲングループRus』は、すでにロシア連邦にある車のロシアのディーラーへの出荷を一時的に中断している。同国におけるフォルクスワーゲングループ車の生産は、特別な命令が出されるまで停止。
『トヨタ』は部品供給の途絶のため、03月04日からサンクトペテルブルクでの生産を停止する。
『現代自動車』と『ルノー』は、それぞれ03月05日までロシアのサンクトペテルブルクとモスクワの工場の操業を停止する。
(事態はさらに進行しており『現代自動車』は工場無期限停止:筆者注)『シュコダ』は部品不足で減産し、ロシアでの事業を停止している。
『ダイムラートラック』は、ロシアの『Kamaz』との協力関係を凍結し、DK RUS』合弁会社でのトラック生産および部品供給は行わないとしている。
『ポルシェ』は、ロシアへの自動車供給を停止することを決定した。
フランスの航空機メーカーである『ダッソー・システムズ』は、ロシアとベラルーシでの新規プロジェクトを中断しています。
ドイツのタイヤおよび自動車部品メーカーである『コンチネンタル』は、ロシアでの生産と事業の停止を決定した。
『フェラーリ』の経営陣は、ロシア市場向け車両の生産中止を発表した。
『ランボルギーニ』はロシアへの輸出停止を発表。
多国籍自動車メーカーである『ステランティス』は、ロシアへの車両輸出およびロシアからの輸入を停止すると発表した。
<<電子・産業分野>>
『Apple』は輸出とオンライン取引を停止し、サービスを制限した。
電子機器メーカーの『デル』は、製品の販売を一時的に停止した。
ドイツのソフトウェア開発会社『SAP』は、ロシアから撤退すると発表したが、顧客へのサービスは継続する。
世界最大のソフトウェア開発会社の一つである『オラクル』は、同国での業務をすべて停止した。
通信機器メーカーである『エリクソン』は、ロシアの顧客に商品を届けていない。
世界最大の半導体メーカーである『TSMC』は当面ロシアに商品を持ち込まないし、ロシアで開発されたエルブラスブランドの半導体も製造されない。
ロシアの顧客は、世界最大のベアリングメーカーである『SKF』の製品を受け取ることができなくなる。
ミュンヘンに本社を置く『シーメンスグループ』は、鉄道の建設や工場の運営、ソフトウェアの供給を行っているが、これまでにロシアへの事業と納入を停止している。しかし、当面はロシアでのサービス・修理義務を継続する。
フィンランドのリフトメーカー『KONE』は、ロシアへの納入を一時的に停止した。
建築・機械工学用ソフトウェア開発最大手の『オートデスク』(AutoCAD、3ds MAX)は、ロシアでの事業を停止している。
米『インテル』は、ロシアへの自社製品の出荷を停止すると発表した。
ブルームバーグは情報筋の話として、『サムスン電子』がロシア向けの全製品の出荷を停止したことを引用している。しかし、その後の『聯合ニュース』の引用によると、納入停止は物流上の問題によるものだという。
日本最大、世界第2位の建設機械・機器メーカーである『コマツ』は、ロシア向け製品の出荷を停止することを決定した。
米国のITソフトウェア会社『EPAM Systems』は、ロシアの顧客に対するサービスを停止すると発表した。
米国のネットワーク機器・ソフトウェアメーカーである『シスコシステムズ』は、ロシアとベラルーシでの全事業活動を停止した。
また、『Nvidia』はロシアでの製品の販売を停止している。
FMCG生産で世界をリードする英国企業『ユニリーバ』は、ロシアへの製品輸出およびロシアからの製品輸入を停止する予定だ。
『コルゲート・パルモリーブ』は、日常的な健康・衛生用品を除く全製品のロシアへの輸入を停止している。
『ゼネラル・エレクトリック』は、ロシアでの事業を停止している。例外として、電力供給サービスだけでなく、必要不可欠な医療機器の稼働支援も継続する。
フィンランドの木材会社『UPM』は、ロシアでの木材購入と、ノヴゴロド州チュドヴォの合板工場の操業を停止する予定だ。
ポルトガルの紙パルプメーカーである『ナビゲーター』は、ロシアとベラルーシでの事業を停止しています。
日本企業である『日立製作所』は、ロシアにおける電気システムおよび電気機器に関する製品・技術サポートを除く事業を一時的に停止している。
コピー機メーカーの『エプソン』は、ロシア・ベラルーシとの協力を停止する。
米国の建設機械メーカーである『キャタピラー』は、制裁措置とサプライチェーンの混乱により、ロシアでの生産を停止すると発表した。
<<フードサプライヤー・ケータリング>>
世界最大のアルコール生産者である『Diageo』は、当面の間、同社製品の供給を見合わせる。同社はギネス、ベイリーズなどの有名ブランドの飲料を製造している。
『マクドナルド』は、ロシア国内の全店舗を一時的に閉鎖する。
『ハイネケン』は、ロシアにおけるハイネケンブランドのビールの生産と販売を停止しているが、全ての工場は操業を続けている。
『KFC』や『ピザハット』チェーンを所有するアメリカの『ヤム・ブランズ』は、ロシアへの投資を停止している。フランチャイズ店ではなく、自社で運営する店舗の運営を停止している。
デンマークのビール会社『カールスバーグ』は、ロシアへの新規投資と、カールスバーグの他部門の製品のロシアバルティカへの輸出を停止することを決定した。
『スターバックス』はロシアでの事業を停止しています。
清涼飲料水を製造する『コカ・コーラ』は、ロシアでの営業を一時的に停止する。ロシアの各都市に10の工場を持つ。
『ペプシコ』はロシアでの飲料の販売と広告活動を停止する、ベビーフードの販売は継続する。
フィンランドの乳製品メーカーである『ヴァリオ』は、ロシアでの事業を縮小することを決定した。同社はモスクワ近郊に工場を持ち、400人の従業員を抱えている。
フィンランドのコーヒーメーカー『パウリグ』もロシアからの撤退を発表しています。
チョコレートやベーカリー製品を製造しているフィンランドの『Fazer(ファッツェル)』は、ロシアでの事業を停止した。
ダビドフ、リッチモンド、ジタネスブランドを製造する英国のタバコ会社『インペリアル・ブランズ』は、ロシアでの製品の販売と製造、および広告を一時的に停止する。
世界最大級のたばこメーカーである『日本たばこ産業株式会社』は、ロシア市場への新規投資を停止している。
『バーガーキング』は、ロシア市場に対する企業支援を停止する。
『KFC』はロシアでの事業も停止する。また、『Yum! Brands』は、ロシアにおけるピザハットの全店舗を停止することで最終合意している。
ウイスキーの「ジャックダニエル」やウォッカの「フィンランディア」ブランドを所有する米『ブラウン・フォーマン』は、ロシアでの事業を停止している。
<<娯楽、衣料、化粧品、家具>>
『ソニー』は、Playstation Storeの運営およびロシア向けゲーム機・ゲームソフトの出荷を停止している。
『ウォルト・ディズニー・カンパニー』『ワーナー・ブラザーズ』『パラマウント・ピクチャーズ』は作品の上映を中止している。
Zara、Pull&Bear、Massimo Dutti、Bershka、Stradivarius、Oyshoのブランドを所有するスペインのアパレルチェーン『Inditex(インディテックス)』は、ロシアでの事業を一時的に停止することを決定した。
日本最大級の衣料品製造・販売会社である『ユニクロ』は、ロシアでの事業を停止している。
衣料品ブランド『Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)』は、ロシア連邦への供給を停止し、オンラインでの衣料品購入の可能性を閉ざした。
『H&M』では販売を停止している。衣料品・アクセサリー販売の『ASOS』が配送を凍結し、オンラインでの注文が不可能になった。
スポーツ用品メーカーの『ナイキ』も同様である。
小売業の『Mango』もロシアでの営業を一時的に停止している。
イタリアのファッションブランドである『プラダ』はロシアでの小売事業を停止した。
サプリメント、ビタミン、食品を販売する『iHerb』は、ロシア人への配送は処理済みの注文のみとし、新規の注文は受け付けないとしている。
玩具メーカーの『レゴ』は、ロシアのショップに一時的に製品を納入できない状態になっている。
メディアサービス『Megogo』がロシアで事業を停止。
家具メーカーの『イケア』は、ロシアでの事業を停止し、同国への輸出入とロシアでの生産もすべて停止する。
デンマークの家具小売店『JYSK』が、一時的に店舗を閉鎖した。
また、『OBI』チェーンはロシアでの営業停止を発表している。
『Activision Blizzard』は、ロシアにおける同社のゲームの販売を停止しています。
ジュエリーメゾン『カルティエ』ロシアとウクライナ領での商業活動を一時停止。
米国のオンライン小売業者『eBay』は、注文の配送を停止した。
電子決済システム『PayPal』は、土曜日、ロシアでのサービスを停止した。
コンピュータゲーム出版社の『エレクトロニック・アーツ』は、ロシアとベラルーシで同社のコンテンツを販売・配布しない。
高級ブランドGucci、Balenciaga、Yves Saint Laurentを所有する『Kering Group(ケリング・グループ)』は、ロシアでの店舗を閉鎖することを発表した。
英国の広告持株会社『WPP』と建築会社『Norman Foster + Partners』は、ロシアでの事業を停止すると発表しました。
ロシアでは、『LVMHグループ』(Louis Vuitton Moet Hennessy)、エルメス、シャネルのブティックが閉鎖される。
オンラインホテル予約サービス『Booking.com』は、ロシアでの旅行サービスを停止しました。
音楽ストリーミングサービスの『Deezer』が、ロシアからの撤退を発表した。
ドイツの化学工業会社『ヘンケル』はロシアで計画されていたすべての投資を中止。
ゲーム「GTA」「レッド・デッド・リデンプション」シリーズを開発した『ロックスター・ゲームス』が、ロシアでゲームの販売を停止した。
『アドビ』はロシアでの製品販売を中止。
『プーマ』がロシアで販売停止。
世界最大のレコード会社である『ユニバーサルミュージック』が、ロシアでの事業を完全に停止した。
『ロレアル』は、ロシアにおける店舗の運営を停止する。
化粧品メーカーの『エスティ ローダー』は、ロシアでの事業を停止することを決定した。
イギリスの化粧品会社『Lush』も、ロシアへの製品の出荷を停止すると発表した。
『資生堂』は、ロシア向け製品の出荷を停止し、ロシア市場への新規投資も停止しています。
『ロレックス』はロシアへの輸出を停止している。
英国のマタニティ・ベビー用品小売業である『マザーケア』が、ロシアでの事業を停止すると発表した。
『Google』は、ロシアのユーザーを対象に、Play Marketショップでのアプリケーションの購入を制限している。ユーザーは無料コンテンツしか使えない。
『ワーナーミュージック』は、ロシアでの活動を全面的に停止しました。
『ワーナー・メディア』は、ロシアにおける新規コンテンツのライセンスを停止する。
デンマークの宝飾品会社『Pandora』は、ロシアとベラルーシとの全ての取引関係を停止した。
『ヒューゴ・ボス』がロシアで店舗を閉鎖、オンライン販売も停止。
『ヴィクトリアズ・シークレット』がロシアでの事業を一時的に停止。
『アディダス』ロシアでの事業を終了。
『ヒルトン』と『ハイアット』のホテルチェーンがロシアでの事業展開を停止。
『インターコンチネンタルホテルズ』グループは、ロシアへの投資停止を発表した。
『任天堂』はロシアへのゲーム機供給を停止。
日本の化粧品会社『花王』は、ロシアへの製品供給を制限することを決定した。
『ソニー・ピクチャーズ』は、ロシアにおける全事業の停止を発表した。
『ジョンソン・エンド・ジョンソン』は、ロシアへのパーソナルケア製品の供給停止を決定した。
『デカトロン』は、供給問題からロシアでの活動を停止すると発表した。
<<ロジスティクス>>
輸送・物流会社である『Kuehne+Nage(キューネ・アンド・ナーゲル)』は、医薬品と人道支援物資を除く物資の供給を停止。『マースク』も同様。
『DHL』『CMA CGM』『Fedex』『UPS』はロシア向けの商品および書類の出荷を停止しています。
パッケージング・ソリューションと生体材料のサプライヤーである『Stora Enso(ストラ・エンソ)』は、ロシアでの全ての生産と販売を停止する。
<<教育>>
イギリスの教育企業『ピアソン』は、ロシアとベラルーシにおける製品の供給とサービスの販売を停止。
米国の教育プラットフォーム『Coursera(コーセラ)』は、ロシアでのすべての活動を停止。
⇒参照・引用元:『TASS通信』公式サイト
上掲のとおり、これだけの世界的企業が大挙してロシアから引いているのです。いったい何が残っているの?と聞きたいほどです。
というわけで、ロシアはまたビンボなソ連時代に戻りつつあります。
(吉田ハンチング@dcp)