2022年06月15日(日本時間16日)、アメリカ合衆国『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)は政策金利を0.75%(=75bp)上げるとしました。
これにより、合衆国の政策金利は「1.50~1.75%」となりました。
1994年以来の異例のジャイアントステップを踏むことに決定したわけですが、これは合衆国のインフレが収まらないためです。
『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、来る07月の『FOMC』でも政策金利を「0.5、あるいは0.75%上げる」としています。
通常の0.25%ではなく、「ビッグ」か「ジャイアント」のどちらかとしたわけです。
米韓で金利が逆転する!
韓国は困ったことになっています。韓国の規準金利は、0.25%ずつ上げて現在「1.75%」となっています。
合衆国が「1.50~1.75%」ですから、米韓の金利差は「0.00~0.25%」まで縮まったことになります。
『韓国銀行』のこれからの判断次第ではありますが、このままいくと次月にも米韓の金利差が逆転するかもしれません。
米韓の金利差が逆転すると、韓国からの資金流出が加速する可能性が高まります。これは「お金はより増える方に動く」という当たり前の話。ウォンをドルに換えて合衆国に突っ込んだ方が増えるわけですから。
為替レートは基本的に通貨量の比で決まります。そもそも合衆国が金融引き締めを行い、通貨量を絞りにかかっているのでウォン安トレンドなのです。ここに金利差の逆転が起こると、この傾向に拍車をかけることになります。ウォンからドルへの両替がさらに加速してウォン安も進みそうです。
現在の『韓国銀行』は李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁ですが、元『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)アジア太平洋局長です。
当然マクロ経済については深い知見をお持ちでしょうが、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁はかつて「米韓での金利差の逆転は起こるかもしれない」と発言したことがあります。逆転は否定しませんでした。
つまり、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は合衆国の動きに合わせて金利を上げる気はないのです。
資金流出が起こってもそこまで大きくはならないと読んでいるようです。
本当に米韓での金利差の逆転は起こるのか、またその後ナニが起きるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)