中国は「賄賂まみれ社会」何をしたら「43億円」も貰えるのか?

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2024年02月29日、『人民日報』が汚職で中国共産党当局によって、逮捕起訴された何发理(何発理)さんについての記事が出ています。

中国共産党は「不正は許さないぞ」という

何発理さんは――

陝西省林業局植林部幹部、太白山国家自然保護区管理局党書記、陝西省林業局植林部副部長(部門レベル)、省林業樹種会社マネージャー、省林業樹種苗作業所所長、省林業局副局長兼党グループ委員、省環境保護局党グループ書記兼局長、省環境保護局党グループ書記兼局長、省人民代表大会常務委員会農業農村工作委員会主任

――を歴任した方です。簡単にいえば、陝西省のお役所仕事でエラい立場までいった共産党員です。

ところが、2021年03月、何発理さんは重大な規律違反の疑いで、陝西省規律検査監督委員会の調査を受けることになり、勾留されました。

2021年10月、何発理さんは党から除名。翌2022年04月には、収賄の罪で12年の懲役と200万元の罰金を言い渡されました。

なぜ今になって『人民日報』がこのような記事を掲載するかというと、中国の皆さんに対するアピールです。「中国共産党は不正腐敗を許さない」といいたいわけで、要は――

「共産党の端々には悪いやつがいるかもしれないが、共産党の中央、上層部は国民の信頼に足るものなのだ」

と装っているのです。そう思われたいのです。

TV時代劇『水戸黄門』と同じです。地方には悪代官などがいるが、それを印籠をもった天下の副将軍、水戸光圀公が正す! 世の中には正義があるのだ――というやつです。

中国の場合は、徳川将軍家の代わりに中国共産党があって、中国共産党の中央部、エラい人たちは不正を正す! 世の中には正義があるのだ――というわけです。しかし、そんな話はウソです。

全くのおとぎ話に過ぎず、中国共産党は正義など行っていません。

記事が出ることで、「何発理は公職を2017年に退職しているが、その後も贈収賄を行って権力を維持した。なんと13軒もの不動産を保有していた」という事実が注目されました。

中国のSNSでは、「13軒だって! 許せない」などの非難の声が上がっていますが、これこそ中国共産党の目眩ましです。

もっと巨大な悪事から目をそらせるためです。実際、中国共産党は上から下まで汚職と不正にまみれています。だからこそ中国共産党党員ばかりが資産を増やすことができるのです。

なぜ「40億円超えの賄賂をもらえる人間」がこんなにいるのか?

中国共産党が贈収賄にまみれた組織であることの証左があります。2023年に1億元以上の横領を行ったと当局に指弾された人物だけで21人にも及ぶのです(少なくとも公的に確認できるものだけでも)。

最も不正額が大きかったのは、Money1でも少しだけご紹介した許国俊さん(下掲写真)といわれます。

汚職と総額40億元以上の公金横領で2023年12月に無期懲役という判決が出ています。この40億元以上というのは、中国共産党が中国本土で政権を掌握してからの74年間で最大の横領金額とのこと。

この許国俊さんを別格としても、1億元以上横領した人物を上から順にピックアップすると以下のようになります。

孙德顺:9.79億元

郑建华:8.58億元

王大伟:5.55億元

李文喜:5.4億元

蔡鄂生:5.19億元

邓真晓:3.8億元

王滨:3.25億元

赵忠厚:2.9億元

刘彦平:2.34億元

曹广晶:2.16億元

田惠宇:2.1億元

上掲11人で小計:51.16億元(1,067.7億円)

日本円への換算は2024年03月01日の「1元=20.87円」で行いました。
亡くなった李克強さんの従兄弟と噂される朱聡之さんも当局に捕まっていますが、未判決で金額は不明。

例えば、上掲の田惠宇さんは『中国招商銀行』元総裁ですが、この人は収賄「2.1億元」です。日本円で「43.8億円」です。

いったい何をしたら1人で43.8億円ももらえるのでしょうか。

ちなみに田中角栄さんがロッキード事件のときに受け取ったのは5億円といわれています。

ロッキード事件は1972年なので、2024年の現在と相場を比較するのは難しいでしょうが、それにしても中国共産党員、政府要職にある高官たちの銭ゲバぶりが際立っているとは思われませんか。

許国俊さんを別にした上掲11人だけで、合計「1,067.7億円」も懐に入れているのです。

なぜ、1人当たりそんな巨額の賄賂を受け取れるのか、着服できるのか。なぜ「巨額の賄賂をもらった高官」がこれほど多いのでしょうか?

答えは簡単です。

実際にアゲられたのは「ほんの一角」で、上から下まで全部賄賂をもらっているからです。贈収賄が当たり前の社会であり、「みんなやってる」のです。中国共産党が築いたのは、「お金が全て」の贈収賄社会です。

もちろん中国共産党Topの習近平さんも親族を上げて参加していらっしゃいます。パナマ文書が流出した際には、例えば「義兄がオフショア会社2社の会長・株主だった」ことが分かっています。

受け取った賄賂が国内で消費されるならまだいいのですが、資産隠しで海外に逃げ出すのであれば、「国内でいくらお金をまいても無駄」という現象を助長することになるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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