韓国「バランス外交は幻想」140年前に生まれた天動説をまだ信じている

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文在寅という稀代のアポンタン韓国大統領は、「バランス外交」という幻想を追い求め、米中間でコウモリを演じて右往左往しました。結果、アメリカ合衆国からは「信用ならん」という烙印を押され、中国からも手下てかのように扱われました。

それでも文在寅さんは、先日刊行した回顧録『辺境から中央へ』では、「合衆国とは大変うまくいった」――と自画自賛を惜しんでいません。揚げ句の果てに「安倍晋三が邪魔をした」旨を述べる始末。

「ばかは死ななきゃ治らない」とはよくいったものですが、恐らく死んでも治らないでしょう。

韓国メディア『韓国経済』が興味深い記事を出しました。「バランス外交なんて天動説のような虚像うそだ」という内容です。

同記事から一部を以下に引用してみます。

140年前の1885年12月。

米国ボストンで勉強して帰国した開化派だった兪吉濬(ユ・ギルジュン)は「朝鮮中立論」を提唱した。

当時、ヨーロッパ列強の勢力均衡のために中立国となったブルガリアやベルギーのように、朝鮮を中立国にすべきだというものだった。

朝鮮半島も清とロシアの勢力拡大を調整できる地理的な利点を十分に生かすことができると考えた。

しかし、朝鮮政府の無関心の中で中立論は現実化されなかった。19年が過ぎ、ロシアと日本間の戦運が濃くなった1904年01月になって初めて高宗は中立を宣言したが、日本の侵略で無意味に終わった。

中立論が失敗した決定的な理由は、朝鮮の国力が弱かっただけでなく、周辺列強が朝鮮半島の中立を望まなかったからだ。清朝もロシアも日本も朝鮮を自分たちの影響圏に置こうとした。

朝鮮半島中立論の影は今も色濃く残っている。中立外交から派生したバランス外交がそれだ。

バランス外交は、合衆国と中国の二強構図が確立された後、進歩政府の外交路線の金科玉条となった。

合衆国と中国のどちらにも偏ることなく、バランス外交を通じて実利を得ることができるという主張だ。

盧武鉉政権の「北東アジア均衡者論」、文在寅政権の「朝鮮半島ドライバー論」もそのような背景から生まれた。『共に民主党』も中国との関係を強調しながら、隙あらばバランス外交を前面に押し出す。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国経済』「[土曜コラム】『朝鮮半島天動説』とバランス外交の虚像」

「バランス外交」の端緒を李氏朝鮮末期に求めており、そのときもうまくいかなかったよね――と指摘しています。

記事内にある「朝鮮半島ドライバー(運転手)論」というのは、(よせばいいのに)2021年初頭に文在寅が掲げた、

朝鮮半島の非核化において「積極的な仲介役として非核化をけん引する」

というものです。韓国人にとっては非常に耳障りのいい言葉かもしれませんが、スグにそんなことは不可能だ――と明らかになりました。

なぜなら、文在寅政権が北朝鮮にとって都合のいいこと(北朝鮮には非核化の意思がある)ウソを合衆国に伝え、北朝鮮には「オレが取り持つから」と大きく出て(これもウソです)、合衆国・北朝鮮の双方から信用されなくなったからです。

北朝鮮の金正恩さんから「仲介者ヅラするな」と一喝されたほどです。

ことほどさように、大国(合衆国)は韓国の助けなど必要としません。「大国に戦略は不要だ。小国にこそ戦略が必要なのだ」を地で行くような話です。

もっとも、回顧録のタイトル『辺境から中央へ』からも分かるとおり、文在寅さんはアンポンタンなので「韓国はもはや大国なのだ(しかもオレが導いたので先進国になった)」と考えていましたから、大国だって言うことを聞くとでも思っていたのでしょう。

恐らく、釜山の弁護士から大統領にまで成り上がった自分を称賛する意味も込めたはずです。こういうナルシスティックで自画自賛的なところが本当に駄目です、この人は。

結果は――衝突する双方から蹴られる――ということになりました。

当たり前です。なんら実力がない、しかも努力もしないヤツが中立など保てるはずがないのです。衝突するパワーの局外に立つというのは、非常に力を要することなのです。

近代化できたのは日本のおかげ、独立できたのは合衆国のおかげ、と国家の大事を自力で成し遂げたことのない韓国は「言えば成る」という甘えた精神の国なのです。だから合衆国と中国の間で「中立」を保ち、両方から甘い汁を吸えるなどという妄想を抱くのです。

『韓国経済』の同記事から、結論らしきものを以下に引用してみます。

(前略)
国際関係は常に選択の代償を払う。

周辺国すべてを満足させる魔法はない。

米中間の新冷戦が激化して以来、合衆国は世界各国に対し、常に誰の味方なのかを尋ねている。

徹底した自国優先主義を掲げるドナルド・トランプ前大統領が来る11月の大統領選挙で当選すれば、質問の強度はさらに強くなるだろう。

中国との関係も重要だが、米国はその何十倍、何百倍も重要な友好国だ。

中立を宣言すれば何も起こらないという旧韓末の純真無垢な妄想から脱却しなければならない。中世の天動説はそもそも生まれないはずの虚像だった。

⇒参照・引用元:『韓国経済』「[土曜コラム】『朝鮮半島天動説』とバランス外交の虚像」

進歩系政権の言いがちな外交政策としていますが、そうではないでしょう。保守寄りとされた朴槿恵(パク・クネ)大統領は、中国の招きにホイホイ応じて、天安門広場を見下ろす城楼に登ったのではなかったでしょうか。


↑2015年09月03日、「抗日戦争と世界反ファシスト戦争勝利70周年記念式典」に参加した朴槿恵(パク・クネ)大統領。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が参加している点も見逃せません。

つまり、保守寄りだろうが左派・進歩系だろうが、韓国人は「中立の立場で、双方から甘い汁を吸おう」という甘ったれた考えを抱いているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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