皆さんは「利息」を意識していますか? 銀行にお金を預けても「利息が安い」、クレジットカードの利息が心配……などの利息です。利息について知っておくと賢い人生が送れます。利息についてぜひ知っておきましょう!
■利息の計算には二つあります
「単利」と「複利」の場合です。単利の場合は計算も簡単です。例えば年間の利息が10%で、元本が100万円ある場合を考えてみましょう。
●1年目
1,000,000円 利息10% 利息金額 1,000,000円 × 10% = 100,000円
計:1,000,000円 + 100,000円 = 1,100,000円
●2年目
1,000,000円 利息10% 利息金額 1,000,000円 × 10% = 100,000円
計:1100,000円 + 100,000円 = 1,200,000円
●3年目
1,000,000円 利息10% 利息金額 1,000,000円 × 10% = 100,000円
計:1200,000円 + 100,000円 = 1,300,000円
これの繰り返しです。
「複利」というのは、利息の分も元本に組み込んで計算する仕組みです。同様に年間の利息が複利で10%、元本が100万円の場合を考えてみましょう。
●1年目
1,000,000円 利息10% 利息金額 1,000,000円 × 10% = 100,000円
計:1,000,000円 + 100,000円 = 1,100,000円
●2年目
1,100,000円 利息10% 利息金額 1,100,000円 × 10% = 110,000円
計:1100,000円 + 110,000円 = 1,210,000円
●3年目
1,210,000円 利息10% 利息金額 1,210,000円 × 10% = 121,000円
計:1,210,000円 + 121,000円 = 1,331,000円
これの繰り返しになります。当然ですが複利計算の方が大変にお得なわけです。
どのくらい違ってくるかといいますと、
単利の場合:20年後には3,000,000円
複利の場合:20年後には6,727,500円
なんと3,727,500円もの差が付きます。
■リボルビング支払いの落とし穴
クレジットカードには「リボルビング支払い」、通称リボ払いというシステムがあります。これは例えば「月額1万円」とか「月額2万円」とか決めて返済していくという方式です。
高額の買い物をしても月々の返済金額が決まっているので「助かる」と思う人が多いかもしれません。しかし、気を付けてください。リボ払いは想定していたよりもはるかに大きな総支払い金額になることも珍しくないのです。
●例えば15万円のショッピングをして、月々1万円+利息(手数料)を支払う場合
年利14.○○%というところが多いと思いますので、計算を簡単にするために15%にしてみます。4月15日に借りるシミュレーションです。
利息(手数料)の計算は「リボ払いの利用残高に15.00%をかけて、年365日で日割り計算したのが手数料」というルールです。例えば、1回目の利息は、
150,00円 × 15.00% ÷ 365日 × 25日 = 1,541円
になります。
*……お金の返済日を10日にしています。借りたのが15日ですので初回の利息計算には25日を掛けています。
2回目の利息は、
140,000円 × 15.00% ÷ 365日 × 31日 = 1,783円
ということになります。
同様に計算すると、月々の支払い額は以下のようになります。
定額:10,000円 手数料:1,541円 支払い計:11,541円 残高:140,000円
定額:10,000円 手数料:1,783円 支払い計:11,783円 残高:130,000円
定額:10,000円 手数料:1,602円 支払い計:11,602円 残高:120,000円
定額:10,000円 手数料:1,528円 支払い計:11,528円 残高:110,000円
定額:10,000円 手数料:1,401円 支払い計:11,401円 残高:100,000円
定額:10,000円 手数料:1,232円 支払い計:11,232円 残高:90,000円
定額:10,000円 手数料:1,146円 支払い計:11,146円 残高:80,000円
定額:10,000円 手数料: 986円 支払い計:10,986円 残高:70,000円
定額:10,000円 手数料: 891円 支払い計:10,891円 残高:60,000円
定額:10,000円 手数料: 764円 支払い計:10,764円 残高:50,000円
定額:10,000円 手数料: 575円 支払い計:10,575円 残高:40,000円
定額:10,000円 手数料: 509円 支払い計:10,509円 残高:30,000円
定額:10,000円 手数料: 369円 支払い計:10,369円 残高:20,000円
定額:10,000円 手数料: 254円 支払い計:10,254円 残高:10,000円
定額:10,000円 手数料: 123円 支払い計:10,123円 残高:0円
この場合、支払い回数は15回、総額支払いは164,704円。15万円を借りたので、利息(手数料)は14,704円。各クレジットカード会社によって「スライド方式」などのまた別のリボ払いのシステムがあります。自分はどんなシステムでお金を借りているのかを確認してみましょう。
参考サイト
⇒JCBの「ショッピングリボ払いのシミュレーション」
●月々1万円しか支払わない場合
上記の場合は元本(この場合は借りた15万円)が確実に1万円ずつ減っていくのでまだいいのですが、これが(元本返済+利息)で1万円となっている定額返済の場合はどうなるでしょうか?
初回の支払いの利息は、
150,000円 × 15.00% ÷ 365日 × 25日 = 1,541円
毎月10,000円ずつ支払うのですから、
8,459円(元本返済分) + 1,541円(利息) = 10,000円
と、元本返済分が減ります。
2回目の支払いはこうなります。元本は150,000円から8,459円を引いた金額の141,541円。利息(手数料)は、
141,541円 × 15.00% ÷ 365日 × 31日 = 1,803円
になります。
8,197円(元本返済分) + 1,803円(利息) = 10,000円
これを続けていきますと、支払い回数は18回、総支払い額は176,995円。15万円を借りたので、利息(手数料)は2万6,995円。前述の例より利息(手数料)金額が倍近くになっていることが分かります。同じ15%でもこのように違うのです。
リボ払いは一般的に、支払い回数、返済期間が延びるほど、支払い金額が多くなり、また複数のカードでリボ払いを重ねたりすると、高額な返済額となり、とても返せないという事態になりがちです。借金をするときには十分に注意しましょう。
■元本の倍支払のは何年目?「72の法則」
年1回複利利回りの場合には、とても便利な計算方法がありますのでご紹介しましょう。72の法則と呼ばれています。
金利(%) × 年数 = 72
この計算式で元本が倍になるのは何年かを簡単に求めることができるのです。
例えば、住宅ローンを考えてみましょう。金利は分かりやすく2%ぐらいで計算してみます。
金利2% × 36年 = 72
ですから、36年支払い続けると元本の2倍のお金を支払うことになります。つまり、金利2%で35年ローンなどを組むと2倍以上のお金を払うことになるのです。
例えば金利3%ですと、
金利3% × 24年 = 72
ですから24年支払うと元本の2倍支払うことになります。
というわけで皆さま「利息」の話はいかがだったでしょうか。借金をするときには慎重にいたしましょう。
(高橋モータース@dcp)