地球温暖化のためでしょうが、世界的に異常気象です。特に中国は面積が広いため、あっちでは干害、こっちでは水害というドタバタです。
↑西安市を大粒の雹が襲いました。しかも風速が強く、まるで弾丸のようだったとのこと。
2025年05月08日、中国西安市では――一天にわかに掻き曇り、弾丸のような雹が降る――という異常気象に見舞われました。
陝西省の西安で、しかも05月に「雹が降る」なんて話は明らかに異常です。
『Weather Spark』の情報によれば、西安市の平均気温というのは以下のようになっています。
西安市の05月の「最低気温」の平均は「16℃」です。なんで雹が降ってくるの――なのですが、実際、今回の雹に現地で襲われた皆さんからは「これまで生きてきて、こんな大きな雹は初めて見た!」「天の悪ふざけだ」などの声が上がっています。
被害甚大だったのはクルマです。
中国語メディアから以下に一部を引用すると、こんな具合です。
(前略)
この雹の破壊力は驚異的だった。屋外に駐車された車両はまさに被害の中核で──フロントガラスは蜘蛛の巣のようなひび割れ、サンルーフには穴、車体は凹凸だらけでまるで機関銃で撃たれたようだった。
↑雹によってボッコボコにされたクルマ。オーナーたちは愛車を前に泣くしかなく、「俺の車が……」と繰り返す者もいた。
(後略)
大変無惨なことになったのは、在庫のクルマを露店駐車していた中古車販売店です。
地元の有名な中古車ネットインフルエンサー「车坛老王(車壇老王)」さんは、屋外駐車場に「販売待ちの高級中古車」をぎっしりと並べられていたのですが、これがボッコボコなりました。
↑ネットに上がった「2,000万元が叩き壊された」と嘆く「車壇老王」の様子。
王さんの見立てではでは、被害総額は2,000万元を超える――とのこと。
2,000万元といえば、2025年05月13日のレートで4億円を超えるわけですが、盛っているにせよ、被害額は相当に及ぶでしょう。
(よせばいいのに)中国語SNS上には「もう中古車じゃなくて事故車だ」と辛辣な投稿も登場しています。
また、被害に遭った中古車販売業者は王さんだけではありません。
例えば、YouTubeでは「全財産失ったー」と叫ぶ経営者が紹介されています。
↑YouTube『新時代ニュース』チャンネルの動画「西安市、30年に1回の雹害」
「天は無情だ。一体どうして!」
「駐車場にある全ての車、全財産が消えた」
「数十年の努力してきたのに、これで解放前に戻ってしまった!」
などと泣きわめいていらっしゃいます。
↑こちらもボッコボコ。
雹害の予報は出ていました
↑どんどこ雹が降って、たまります。
実は、西安市気象台は当日(05月08日)の19:47には「雹のオレンジ警報」を出しており、今後6時間以内に雹災の可能性がある――と公示していたのです。
このような異常気象についての警報は見逃してはならない、というわけです。
ただ警報を見たとしても、多数の在庫を抱えた中古車業が、露天駐車しているクルマを全部避難させるなんてことは、とてもできなかったでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)