2025年05月16日、世界的な信用格付け会社『Moody’s(ムーディーズ)』はアメリカ合衆国の国家信用格付けを最高等級の「Aaa」から「Aa1」へと1段階引き下げました。
2025年5月16日、ニューヨーク――ムーディーズ・レーティングス(ムーディーズ)は、アメリカ合衆国政府の長期発行体およびシニア無担保債の格付けを、AaaからAa1へと引き下げ、格付けの見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更しました。
⇒参照・引用元:『Moody’s(ムーディーズ)』公式サイト
最高評価から転落しましたが、この「Aa1」で安定するでしょう――という評価になりました。
Aa1:依然として高格付け。ただし最高ではない
見通し:ネガティブ(将来的に格下げの可能性あり:警告)
見通し:安定的(stable:現状の格付けは今後しばらく維持される見込み)
long-term issuer rating:政府(国)が長期債務を返済する能力の評価。
senior unsecured debt:担保がないが、他の債務よりも優先的に返済される国債なそ。
なぜ下げたのかといえば……『Moody’s(ムーディーズ)』は、
「政府債務比率と利払い比率が過去10年余りにわたり、同様の格付けの国々に比べて著しく高い水準で増加したことを反映した」
「財政赤字と債務が増加し、金利が上昇したことで、政府債務に対する利払いも著しく増加した」
――と説明しています。
合衆国の政府負債の対GDP比率は「124%」。
↑2024年12月末時点で合衆国政府の負債対GDP比率は「124.0」%:上掲グラフは『CEIC』より引用
気になるのは、米国債への影響です。先にご紹介したとおり、合衆国としては金利が上がるは困るのです。金利が上がると利払いが増加するからです。
直近で米国債10年物の利回りは以下のように推移しています(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
『Moody’s(ムーディーズ)』は、総財政支出における利払いなどの義務的支出の比率が、2024年には約73%で、2035年には約78%に上昇すると推計しています。
この格下げ発表より前に、『ゴールドマン・サックス』のアナリストチームは、2025年末に米国債10年物の利回りが4.5%水準になるという予測を出しています。
(吉田ハンチング@dcp)