【5兆借金】韓国企業「インテルの事業を買収」資金繰りの話

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韓国のメモリー大手『SKハイニックス』が世界的CPUメーカー『インテル』の非揮発性メモリー・ソリューション・グループ(NSG)部門の買収に乗り出しています。ほぼ決まりの事案ですが、『SKハイニックス』側では投資する資金を捻出しなければなりません。同社の資金繰りは大丈夫なのか、という話です。

現在、伝わってくるところによればこの買収について、『SKハイニックス』は以下のとおりの支払いを行います。

2021年末まで:70億ドル約7兆8,533億ウォン
2025年:20億ドル約2兆2,438億ウォン
小計:90億ドル約10兆881億ウォン

ざっくりいえば総額10兆ウォンの投資になるわけです。

この分のお金を工面しなければならないのですが、『SKハイニックス』の財務諸表や業績を見てみますと以下のようになっています。

貨幣性資産:5兆3,000億ウォン
2019年営業利益:1兆1,266億ウォン

貨幣性資産というのは、保有資産のうち現金、預金、売掛金など現金・資金化する資産のことです。企業ですから日々出て行く鵜運転資金も必要ですし、最初の「7兆8,533億ウォン」、ざっくり8兆ウォンの支払いには全然足りません。もちろんインテルから事業を買うことでその分の売上・利益も出ますが、それよりキャッシュフローを考える方が先です。

李錫熙(イ・ソクヒ)代表はこの買収にまつわる資金繰りを以下のように述べています。

(前略)
買収資金の半分は保有現金資産と今後稼ぐキャッシュフローを活用して、残りは借り入れを中心とすること」とし「必要に応じて資産流動化も検討している」
(後略)

⇒参照・引用元:『亜州経済(韓国版)』「​‘10조 투자’ SK하이닉스, ABS 발행 카드 만지작」

つまり、約10兆ウォンの支払い、その半分は新たな借金をして賄うつもりです。資産流動化というのは、恐らくABS(資産担保証券)の発行を考えているものと思われます。つまり、保有資産を担保にした債券を発行するわけです。それにしても約5兆ウォン45億ドル)のABSですから規模は非常に大きいです。

「黒字にできるかな?」が問題

問題は、ABSの発行で資金を調達できたとして、『インテル』でも赤字を出すことがあったNSG部門がうまく回るかです。5兆ウォン分借金が増えたし(その上利払いがある)、その上赤字だった――という結果になるかもしれません。

『SKハイニックス』はこれでメモリー半導体で世界シェアが拡大すると目論み、韓国メディアはこの買収を称賛していますが、実は火中の栗を拾いにいったかもしれないのです。

『SKハイニックス』のお手並み拝見です。

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(柏ケミカル@dcp)

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