アメリカ合衆国ジョージア州のブライアン・P・ケンプ知事が、大統領の拒否権行使を求めました。これで三度目。『ITC』(国際貿易委員会)の判決が執行されるのを止めるためです。
ことの起こりは、韓国企業同士の争いです(ご存じの方は以下を飛ばしてください)。
<<これまでのあらすじ>>
①韓国『LGエネルギーソリューション』が韓国『SKイノベーション』を「営業秘密の窃盗」で告訴
②アメリカ合衆国『ITC』が原告『LGエネルギーソリューション』を勝訴とする
③『SKイノベーション』は今後10年間自動車用バッテリーを部品も含めて合衆国に輸入不可となる(事実上生産も販売も不能)
困ったのはジョージア州です。
韓国『SKイノベーション』が同州に電気自動車用バッテリーの生産工場を持ち、さらなる工場を建設しようと意欲を見せていた最中にこの判決が出たのです。
↑ジョージア州政府の2回目の拒否権要請のプレスリリース。「26億ドルの電気自動車バッテリー生産施設の長期的な見通しは大きく損なわれる」と述べています
アンカーがタイトルを「韓国企業のため」としていますが、正確には自分が知事を務めるジョージア州のためです。
ケンプ知事としてもジョージア州民の雇用に関わる問題なので、動かざるを得ないのです。
それにしても三度目ですから、いかにこの問題を知事が重要と見ているかの証左とはいえるでしょう。
このタイミングで要請がまた出たのは締め切り間際だからです。『ITC』の判決については、大統領が拒否権を発動して執行を止めることができますが、発動は60日以内に行うこと――となっています。
期限は04月12日(韓国時間)なのです。
読者の皆さんもバイデン大統領がどうするのか、についてご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)