破綻して法定管理下に入り、再生を模索している韓国『双竜自動車』ですが、『産業銀行』の李東杰(イ・ドンゴル)会長が同社に対して重要な発言を行いました。
『産業銀行』は『双竜自動車』の債権団のドンです。
韓国メディア『毎日経済』によれば、李会長は、2021年06月14日のオンライン記者懇談会で現段階では『産業銀行』が新たな資金支援は行わないと明言しました。
労使の合意だけでは十分ではない!
同紙から実際の発言を引用すれば以下のようになります。
(前略)
「『双竜自動車』労使が合意したが、『双竜自動車』投資家の事業計画書なしで、『産業銀行』が『双竜自動車』へ金融支援を行うかどうかを判断することはできない」
(後略)
「『双竜自動車』労使が合意したが、『双竜自動車』投資家の事業計画書なしで、『産業銀行』が『双竜自動車』へ金融支援を行うかどうかを判断することはできない」
(後略)
先にご紹介したとおり、『双竜自動車』はほぼ半分の従業員が2年間の無給休業に入ったわけですが、それだけでは資金の投入を行わないとしました。
しっかりした事業計画書を持ってこい!
その理由について以下のように述べたとのこと。
「『双竜自動車』は、全てのことを投資家の立場から見て見てほしい」
「投資家なら『双竜自動車』が2年では正常化するのが難しいことが分かるだろう。それに2年たって人件費が上がるというのなら投資をためらうだろう」
おっしゃっていることは至極もっともです。なにせ17四半期連続赤字の企業です。立て直すのは容易なことではありませんし、もし立て直せたとしても2年後に人件費が倍になるとしたら……。
そのためにきちんとした事業計画を出してもらわないと困る――というわけです。逆に言えば、事業計画さえしっかりしていれば資金援助も考えようという言葉に取れます。
しかし、『双竜自動車』を買収する意思のある企業にすれば厳しい条件といえます。
綿密で実現性のある計画を立てないと、『産業銀行』を筆頭とする債権団の資金支援を受けられないというわけですから。それが立てられるぐらいならこうはなっていないという気もしますが、これで法定管理が2回目ですので、『産業銀行』としてもいい加減にしてくれ、というところなのでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)