割安の株式銘柄を見つけるための指標(INDEX)の一つに「ボリンジャーバンド」があります。このボリンジャーバンドは、以前紹介した「オシレーター系」のINDEXで、移動平均線に対して、株価がどのように散らばっているかを示すINDEXです。今回は、ボリンジャーバンドについてご紹介します。
「ボリンジャーバンド」はJohn A. Bollinger(ジョン・A・ボリンジャー)によって考案されたINDEXです。具体的に見た方が早いですので、下のチャートを見てください。これは「ディーエヌエー」(銘柄:2432)の2016年6月29日-2016年12月22日の株価変動を示したものです(チャート元図は株マップ.comより引用)。
ロウソク足に濃紺のラインが重ね合わされていますが、これは以前紹介した移動平均線で期間は「25日」です。25日移動平均線の推移は、株価の傾向がどのようになっているのかその変動がどのようなのか「トレンド」を見るための分かりやすいINDEXですね。
ボリンジャーバンドは、この移動平均線を基に株価がどのように散らばっているかを示してくれます。ボリンジャーバンドをチャートに重ね合わせてみましょう。
移動平均線を中心に計6本のラインが引かれました。同色のラインはそれぞれ対応しており、つまり3組のラインが登場したわけです。このチャートでいえば、
緑のライン:±1σ ⇒ 「+1σ」と「-1σ」の2本のラインで一組
オレンジのライン:±2σ ⇒ 「+2σ」と「-2σ」の2本のラインで一組
水色のライン:±3σ ⇒ 「+3σ」と「-3σ」の2本のラインで一組
※σは「シグマ」と読みます。
移動平均線より上に来ているのが「+」、下に来ているのが「–」のラインです。
緑のライン:±1σ ⇒ 株価は「68.27%」の確率でこのライン内に収まる
オレンジのライン:±2σ ⇒ 株価は「95.45%」の確率でこのライン内に収まる
水色のライン:±3σ ⇒ 株価は「99.73%」の確率でこのライン内に収まる
重なっていると見づらいかので、それぞれ「±1σ」「±2σ」「±3σ」のラインだけ取り出して見てみましょう。
ポリンジャーバンド「±1σ」
ポリンジャーバンド「±2σ」
ポリンジャーバンド「±3σ」
移動平均線を見ると(この場合は)25日の期間における株価の平均がどのように推移しているかが分かるのですが、どのくらいの価格のばらつきがあるのかは分かりません。平均株価が「100円」であっても、どのような価格を平均してその値になっているかで状況はずいぶん違います。
例えば、学校の試験を思い出してください。クラスの数学のテストであなたは72点だったとしましょう。あたなはどのくらい良い成績と評価できるのでしょうか? 平均点が60点だったとして、あなたは平均点より12点も上なので「優秀」といえるでしょうか? この評価をより正確に行うためには「偏差値」という値を用いたはずです。偏差値は、平均点を「50」として、その点数がそこからどのくらい離れているかを示すものですね。
このボリンジャーバンドも基本的には偏差値と同じ、統計でいうところの「分散」という考え方を用いています。それぞれの株価が平均値からどのくらい離れているのかを計算して、どんなレンジ(幅)で株価が変動しているのかを示すものなのです。
正確にボリンジャーバンドがどのように計算されているかについてはひとまず置いて、まずは見方を覚えてください。ボリンジャーバンドを見ると、株価の変動を視覚的にとらえやすくなります。次の記事では、ボリンジャーバンドをどのように用いるのかについてご紹介します。
(高橋モータース@dcp)