韓国政府が2023年度の予算案を通すのに四苦八苦していました。国会で過半数を占める『共に民主党』が抵抗し、折衝が長引いたためです。
2022年12月24日の午前1時頃になってようやく予算が通過しましたが、野党に妥協したため、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権としてはかなり不本意な内容です。
拡大を続ける支出「638.7兆ウォン」
総支出は638兆7,000億ウォンで、政府案から3,000億ウォン削られました。前文在寅政権のときは、政府案を国会で膨らませるのが常でしたので、減ったのは3年ぶりのことです。
国会審査によって、
増額:3兆9,000億ウォン
の調整が行われました。
この4兆6,000億ウォンには外国為替平衡基金債券(外平債)の発行減額4,000億ウォンが含まれていますが、これは支出にカウントされないため、「減額:4兆2,000億ウォン – 3兆9,000億ウォン = 3,000億ウォン」で、総支出は3,000億ウォン減った次第です。
「総支出:638兆7,000億ウォン」は2022年から「31兆ウォン」増えています。
文在寅政権から膨らんだ政府支出は尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってからも継続されています。
これに対する総収入は「625兆7,000億ウォン」。つまり、2023年度は統合財政収支は「-13兆ウォン」になります。
総収入:625兆7,000億ウォン
総支出:638兆7,000億ウォン
統合財政収支(総収入 – 総支出):-13兆ウォン
2022年度の予算が第2次補正まで入れると以下のようでした。
総収入:609兆1,000億ウォン
総支出:689兆5,000億ウォン
統合財政収支(総収入 – 総支出):-110兆8,000ウォン
1年の赤字が「-110.8兆ウォン」から「-13兆ウォン」に縮まるわけですから、このとおりいけば「政府負債をコントロールする」とした尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は評価されるでしょう。
また、予算どおりにいけば、2023年度の政府負債は「1,134兆4,000億ウォン」となります。こちらも2022年度より4,000億ウォン下がります。
政府負債を減らそうとしている姿勢は信用格付会社に評価されることになるでしょう。これから来る「信用格付会社との協議シーズン」でアピールできるポイントです。
(吉田ハンチング@dcp)