Money1でも、元中国人留学生の悲痛嘆きと警告の言葉をご紹介したことがあります。
「留学先の国から中国に帰国しても就職することができない」
「決して帰国するな」と3回連呼し、「たとえ空が落ちてこようとも、絶対に帰国してはいけない!」と主張しています。
居座られて困る国からすれば、「いや、さっさと中国に帰れよ」です。

他所の国の医療制度などセーフティーネットにタダ乗りされても困るので、「帰国して中国共産党政府の下でふさわしい生活を送り、外国人に迷惑をかけるな」です。
この――元留学生が帰国しても仕事がない――理由の一つに「一部の国有企業は留学生を受け入れたがりません」が挙げられます。
受け入れない理由は、「海外で自由主義的思想に染まってきたお前は、もうわれわれの仲間ではない」と見なされるから――というのです。
これをもっと極端な主張にすれば「お前たちは自由主義的思想に染まったスパイだから」と転化することが可能です。
海外からの帰国者にはスパイが混じっていて見分けられない!
実際に中国企業のTopがこのような発言をしているのです。『Radio Free Asia』の記事から以下に一部を引いてみます。
(前略)
董明珠は、2025年04月22日、『格力電器』の臨時株主総会で、人材採用に関する質問に対し、次のように述べた。「『格力電器』は絶対に海帰を採用しない。
なぜなら、誰がスパイか分からないからだ。
識別できない以上、国内大学で自社育成した人材を採用するしかない」
(後略)※海外留学から帰国した人材という意味:引用者注
『格力電器』は1991年に設立された、広東省珠海市に本社を置く中国の大手家電メーカーです。主に家庭用および業務用の空調機器を製造・販売しており、世界最大の家庭用エアコンメーカーとして知られています。

↑董明珠さん。一言で言えば「女傑」です。
董明珠さんは、1954年08月12日、江蘇省南京市生まれの中国人実業家で『格力電器』の会長を務めています。1990年『格力電器』の前身企業に入社し、営業職としてキャリアをスタートさせました。いわば現場の叩き上げから会長を務めるまでに出世した、立志伝中の人物でもあります。
この董明珠さんの言葉に対して、さすがに中国メディアの中には「時代錯誤な人材観だ」といった記事も出ています。
しかし董明珠さんの言葉は、元留学生の指摘「海外で自由主義的思想に染まったお前は、もうわれわれの仲間ではないと見なされる」に合致します。
世界シェアトップのエアコンメーカーの会長の「帰国者はスパイかもしれない」は、中国企業の「雰囲気」をそのまま伝えたものと見られます。
帰国しても仕事がないかもしれませんが、そのような環境にしたのは他ならぬ中国人であって、外国に迷惑をかけてもよい理由にはなりません。
空が落ちてこようが、自分の祖国に帰り、自国を住みやすく「自分たち」で造りかえましょう。
(吉田ハンチング@dcp)






