先の記事で、佐藤ボイラー(バカ)が売買して一応うまく儲けて逃げた「ベネフィット・ワン」(銘柄:2412/東証二部)を扱いましたが、チャートを見ていていい資料になるなぁと思いましたので、今回はその話をいたします。
まずは、04月06日までの株価のチャートを出してみます。いつもどおり株マップ.comのクオンツチャートからの引用です。
さて皆さん、この先の株価がどうなるかの予測をしてみてください。株価は上がったでしょうか? 下がったのでしょうか? もし取引するとしたら、
1.上がると思って買う
2.下がると思って空売する
のどちらを選びますか? もちろん長期にホールドするか、それとも短期の取引かによりますが、今回は「短期」で考えてみてください。
筆者なら「2」を選びます。なぜかお分かりになるでしょうか?
もちろんこのチャート、「ロウソウ足」と「EMA(指数平滑移動平均)」だけで確度高く判断するのは難しいのです。これにMACDを加えてみます。いつもどおり「12日」「26日」から成る遅行性のMACDです。どこを見るべきかお分かりになるでしょうか?
注目すべきは、MACDのディバージェンス(divergence)です。03月17日に高値3,490円、少し下がって、03月27日に高値3,545円をつけて高値を更新。その後、少し下がって推移しますが、04月04日に高値3,620円をつけて更新。
しかし、MACDの動きを見てください。03月17日から03月27日へとMACDのピークは高値更新に追随して動いています。しかし、03月27日から04月04日にかけては、高値が更新されているにもかかわらず、MACDはピークを更新できず、下がってしまっています。
これは明らかな「弱気のディバージェンス」です。弱気のディバージェンスは、株価がこの先に下落局面を迎えることを示すサインです。ディバージェンスについての詳細は先のMACDの解説記事を参照してください。
このような明瞭な弱気のディバージェンスが現れているので、筆者なら「株価は下がる」と読み、取引としては「空売」を選択します。
では実際どのように株価が動いたのか、時間を進めてみましょう。見やすいように、03月13日から04月14日までのチャートにしてみます。
このように明らかに株価は下げトレンドとなりました。佐藤ボイラー(くるくるパー)などは「結果論」というかもしれませんが、そうではありません。指標(INDEX)の示すものを最大限に読み取り、できるだけ確度高く先を読む努力をするのです。
「上がる」か「下がる」は50%の確率ですから、誰でも半分は当たるわけです(もちろん乱暴な言い方で、半分当たらないこともありますが)。しかし、その50%がもし60%になったら? もし75%にできたら? 株式に投資して儲ける可能性はそれだけ高まります。これが「INDEXを読む」意味なのです。
※「divergence」はアペルの著書などを和訳したものでは「ダイバージェンス」とカタカナで書かれていることが多いのですが、発音記号は「dɪvˈɚːdʒəns」ですので、ここでは「ディバージェンス」と表記しています。
(吉田ハンチング@dcp)