韓国政府は「米韓の関税交渉が妥結」「文書にするまでもない素晴らしい交渉だった」などと述べていましたが、大ウソでいまだに揉めております。
2025年09月25日、トランプ大統領はTikTok関連の大統領令※署名時の記者団向け発言の一部として、
※大統領令「Saving TikTok While Protecting National Security」のことです。
“As you know, in Japan, it’s $550 billion. South Korea is $350 billion—that’s up front,”
「ご存知の通り、日本は5,500億ドルです。韓国は3,500億ドル——これは前払いです」
と述べました。
この3,500億ドルが「払えない」と韓国では、「合衆国に3,500億ドルむしられるくらいなら、25%関税のママでいい」という主張が力を得ています。
ただし、別に25%のママで済むかどうかは分かりませんし、3,500億ドルで済むとも限りません。
一方、2025年09月25日、『Wall Street Journal』は「商務省ラトニック長官が韓国側に対米投資額を3,500億ドルから増額するよう提案した」と報じました。
記事の原文はこうです。
Lutnick, in recent conversations with South Korean officials, has discussed with Seoul the idea of slightly increasing the $350 billion they had previously guaranteed to the U.S. in July and suggested the final tally could get a bit closer to the $550 billion pledged by Japan, according to people familiar with the discussions, including an adviser to South Korea’s government.
ラトニック長官は、最近の韓国当局者との会話において、07月に韓国が合衆国に対してすでに約束した3,500億ドルをわずかに増額するという考えをソウルと協議し、最終的な合計額が、日本が誓約した5500億ドルにもう少し近づく可能性があると示唆した、と事情に詳しい人物、韓国政府の顧問を含む複数の関係者が述べている。
⇒参照・引用元:『Wall Street Journal』「Why U.S.’s Trade Pact With South Korea Has Gotten Messier」
「a bit closer to the $550 billion」ですので、5,500億ドルに近づくようわずか増額する――と表現されており、具体的にいくらになるのかは分かりません。
しかし、ラトニック商務長官が「上積み」を考えているのは確かです。
合衆国への投資金額が過大すぎるとする韓国側は、大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんも含め「合衆国との無制限の通貨スワップを要求」しています。
このような合衆国側からの圧力に対して、具潤哲(ク・ユンチョル)企画財政部の部長(長官)兼副首相は「為替関連の協議は終わった」と述べました。
2025年09月27日、具潤哲(ク・ユンチョル)長官は、対合衆国交渉を終えて、仁川空港に到着しましたが、記者団に対して以下のように述べました。
「合衆国との為替協議は今回で協議が完了しており、近く発表する計画だ」
↑具潤哲(ク・ユンチョル)さんの交渉相手はベッセント財務長官でした。「李在明(イ・ジェミョン)大統領がスコット・ベッセント財務長官に先に会い、私も陪席した」
「大統領が通商協議と通貨スワップ関連について発言し、私が続けてベッセント長官と二者協議を行い、韓国の外為事情と通貨スワップの必要性について詳しく説明した」
「非常に詳しく韓国の外為事情など、日本のように一度に3,500億ドル(規模の投資)をしなければならないなら通貨スワップの必要性について話した」
「ベッセント長官はわれわれの外国為替市場を十分に理解している専門家だ。ワシントンに戻って内部的に協議し、連絡をくれると言った」と伝えた。
「ベッセント長官が我々の外為事情を十分に知っており、私がまたいくつか他の事項も話したので、その部分まで勘案するのではないかと思う」
具体的にどのような交渉が行われたのか、韓国が要求している「無制限の通貨スワップ」について、合衆国側がどのように回答したのかについては不明です。
面白いのは、『Wall Street Journal』の記事に出ている「対米投資の増額」については、「私は増額要求は聞いていない」と述べたことです。
また大統領保安室長の魏聖洛(ウィ・ソンラク)室長は、本件に関連して以下のように述べています。
「(合衆国の要求する投資金額は)客観的に、現実的に我々が耐えられるものではない」
「交渉戦術でそのような立場を明らかにしたのではない。(現金出資が不可能だというのは)大韓民国の誰であっても認める事実だろう」
簡単にいえば、合衆国側に「泣き」を入れた――ということです。
この「泣き」が合衆国に通用するかどうか――が見どころです。
(吉田ハンチング@dcp)








