韓国大統領府・国家安保室長の魏聖洛(ウィ・ソンナク)さんが、アメリカ合衆国・カナダ・日本を回って帰国しました。
合衆国では先にご紹介したとおり「原子力潜水艦の建造問題」について話し、国連も回っています。
ちなみに訪日では、茂木敏充外務大臣と会談。外務省は以下のプレスリリースを出しています。
12月22日午前11時から約25分間、茂木敏充外務大臣は、訪日中の魏聖洛(ウィ・ソンナク)韓国国家安保室長と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1.冒頭、茂木大臣から、魏室長の訪日を歓迎するとともに、日本と韓国は互いに国際社会のさまざまな課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であり、現下の戦略環境の下、日韓関係・日韓米の連携の重要性は一層増している旨述べました。
2.茂木大臣から、現在の地域情勢に関する日本側の考えについて説明しました。
3.双方は、現在の日韓関係の良好な基調の下、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていく重要性を改めて確認し、引き続き日韓両政府間で緊密に連携していくことで一致しました。
「魏聖洛(ウィ・ソンナク)は何しに来たのやら」なのですが、韓国メディアでは「2026年01月に予定されている日韓首脳会談の調整」、「日韓関係+日韓米3か国連携の確認」といった推測が出ています。
面白いのは「カナダ」です。
韓国産潜水艦は旗色がいいとはいえない
魏聖洛(ウィ・ソンナク)さんはなぜカナダに行ったのか――ですが、これは韓国が今カナダに売り込んでいる「潜水艦」関連だと見られます。

先にご紹介したとおり、ポーランドが韓国産の潜水艦を蹴り飛ばして、フィンランドのA26を選択しました。ポーランドが韓国産を一蹴したのは良かったですが、カナダも次期潜水艦の選定に入っているのです。
2025年12月24日、記者ブリーフィングにおいて魏聖洛(ウィ・ソンナク)さんは、カナダの「次世代潜水艦プロジェクト」受注事業について、「われわれが優位にあると見るのは難しいが、努力している」と述べました。
魏聖洛(ウィ・ソンナク)さんの以下の発言が面白いのです。
「われわれが性能面で劣っていることはないと思うし、投資誘致問題も劣らないよう努力するだろう。ただし、安保協力水準については、優位にあると見るのは難しい」

↑韓国海軍初の3,600トン級潜水艦。蔣英實(チャン・ヨンシル)と命名されました。2025年10月22日に進水式が行われたのですが李在明(イ・ジェミョン)さんは出席しませんでした。
「われわれはNATO加盟国ではなく、他の競争相手(ドイツのこと:引用者注)とカナダはNATOに加盟しており協力水準が高いため、安保パートナーの地位において優位にあると見るのは難しい」
「カナダを訪問して協議したのもその部分についてだ。韓国とカナダ間の安保・国防パートナーシップ強化を強調した」
潜水艦の性能では負けていないが、カナダとの安保協力の面ではドイツに優っていない――と指摘しました。
だからといって、今からカナダと安保・国防パートナーとしての協力関係を強化する――というのも……「何を?」です。
(吉田ハンチング@dcp)






