すでに韓国の国策銀行から1兆ウォンの支援を受けている、あの『斗山重工業』の2020年第1四半期の決算が発表されました。
『斗山重工業』に「あの」を付けるのは、東芝から盗まれたハードディスクが渡った企業とされるからです。そのハードディスクの中には、原子力発電の制御システムの設計データなどが記憶されていた、とされます(確証は取れていません)。
先からご紹介しているとおり、『斗山重工業』は韓国の原発産業の一角を担う会社ですが、文在寅大統領の「脱原発政策」の余波でここのところ売上・利益も低迷。そこに新型コロナウイルス騒動が直撃しました。
2020年第1四半期の決算は以下のとおりです(連結)。
売上高:3兆8,370億ウォン
営業利益:▲565億ウォン
当期純利益:▲3,714億ウォン
※▲はマイナスの意味
『斗山重工業』の主力事業は「原子力発電所」「石炭火力発電所」ですが、この両方ともが文在寅政権から「No」を突きつけられています。「脱原発」で「クリーンエネルギー」指向なので、「石炭」ではなく「LPG」を……という話になっているのです。
とはいえ、インフラを支える電力産業に関わる会社ですので、飛ばすわけにもいかず、韓国政府は『斗山重工業』にすでに1兆ウォンの支援を(しぶしぶ)突っ込んでいます。
一方で「1兆ウォンでは助からないのでは?」といわれているのですが、早期退職者を募るなど自助努力も進めています。
満45歳以上の社員を対象に早期退職申請を受け付け、約650人が応募し退社。しかし、これでも足らないので、05月11-15日に第2次早期退職を受け付けました。
『斗山重工業』の場合、主力事業が現政権と真正面からぶつかるものだけに、新型コロナウイルス騒動が終息しても業績が回復するのは難しいと考えられるのですが……。
⇒参照・引用元:『亜州経済』「斗山重工業、第1四半期に3700億ウォンの純損失…脱原発に『赤字企業』のくびき」
(柏ケミカル@dcp)