韓国の(完成)自動車メーカーは新型コロナウイルス騒動のために経営難に陥っていますが、問題は自動車メーカーだけでは済みません。
自動車産業は裾野が広いのが特徴で、自動車部品を製造する会社があって自動車産業を形成しています。自動車メーカーが経営難ということは、メーカーに納品する自動車部品メーカーはもっと苦しいのが現状です。
自動車部品メーカーの稼働率は50-60%にまで縮小しており、中小企業は特に資金難に直面しています。
そこで! あの「基幹産業安定基金」の出番とのこと。
緊急輸血で1兆ウォンの資金を自動車部品メーカーに突っ込むとのことです。
この件を報じた韓国メディア『毎日経済』の22020年06月15日の記事から以下に引用します。
政府が自動車部品業界に基幹産業安定基金を投入することにしたのは、コロナ19事態衝撃から自動車産業を復元するために莫大な資金がかかるからである。
政府は当初、航空・海運業界の企業の中で総借入金5,000億ウォン以上、労働者数300人以上の企業を「基幹産業安定基金」の支援対象とした。
しかし、基幹産業の生態系の維持などのために企画財政部と金融委員会が必要と認める場合には、1兆ウォンの範囲内で資金を活用する「パートナーサポート特化プログラムを運営できる」という例外基準を置いた。
例外規定は、「1兆ウォンの範囲」と明示しているが、政府は自動車産業の特殊性を考慮して範囲をより拡大する案を検討している。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「自動車産業の生態系崩壊かも…自動車部品メーカーの1兆+α緊急投入」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
自動車部品メーカーは中小企業が多いため、本来なら「基幹産業安定基金」が支援の条件とする、
・借入金が5,000億ウォン以上
・従業員300人以上
には当てはまらないのですが、企画財政部と金融委員会の了解を得て、特例措置を取るというわけです。また支援規模は1兆ウォンより大きくなる可能性もあるとのこと。
何度もご紹介していますが、問題はこの「40兆ウォン規模」と号している「基幹産業安定基金」がその「40兆ウォン」をまだ集めていない点です。「1兆ウォン + α」突っ込むことになるでしょうが、さてそのお金は誰が立て替えるのでしょうか。
恐らく『産業銀行』で、債券を発行して40兆ウォン入ってきたらそれで帳尻を合わせるのでしょう。債券発行で得るお金ですので、もちろんこれは借金です。『産業銀行』は機関投資家に利子を付けて返済しなければなりません。
(吉田ハンチング@dcp)