先に、中国『武漢弘芯セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー』(HSMC)の中国工場が、資金不足のために建設途中で放棄されていることをご紹介しました。
この『HSMC』は、台湾の半導体メーカー『TSMC』(Taiwan Semiconductor Manufacturing:台湾積体電路製造)の上級幹部を務めた蔣尚義さんなど、台湾から引き抜かれた人材が屋台骨を務めるという点でも注目されていました。台湾からすれば、中国に大事な人材を持っていかれたわけです。
『HSMC』は、台湾『TSMC』や韓国『サムスン電子』と張り合うことが期待された企業だったのですが、再び工場建設が進むかどうかは不明。
半導体製造装置をカタに資金を調達!
面白いのは、今や中国では入手困難なオランダ企業『ASML』製の半導体製造用装置が借金のカタになってしまったことです。
『Tiwan News』の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
同社は昨年、7ナノメートルチップ生産ライン用の『ASML』のリソグラフィ装置の調達を記念してイベントを開催したが、手付かずの装置が1月に銀行に5億8,200万元(約8,500万ドル)の融資のために抵当権を設定されていることが判明した。
(後略)⇒参照・引用元:『Taiwan News』「中国で最も野心的な半導体投資プロジェクトは中止」(原文・中国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
資金難で、せっかく入手できた『ASML』製の装置も手つかずのままなようです。このまま同工場の計画が頓挫して破綻が決定すると、この装置は競売にかけられてどこかに流れていくのでしょうか。
合衆国・中国の対立で、もしかしたら二度と調達できないかもしれないのにもったいないことです。
「TWINSCAN NXT:2000i」PHOTO(C)『ASML』
(吉田ハンチング@dcp)