フィリピンに新しい空港を造る計画がロドリゴ・ドゥテルテ大統領(Rodrigo Roa Duterte)に承認されたのですが、フィリピン海軍が反対しています。
というのは、この工事は、中国の『China Communications Construction Corporation』(略称:CCCC)とフィリピンの『MacroAsia Corporation』が共同で請け負い業者となっているのですが、この『CCCC』は、南シナ海の中国基地建設に荷担したとして、アメリカ合衆国のエンティティーリストに掲載された企業なのです。
フィリピン海軍の懸念は他にもあります。新空港が建設される場所です。以下をご覧ください。
新空港建設予定地「Sangley Point」には、現在「カヴィテ海軍工廠」があります。
つまり、海軍をよそに追い払ってここに新空港を造るという話なのです。
この「Sangley Point」は首都マニラのすぐ横で、いわばマニラ湾に侵入する敵からマニラを守る位置にあります。こんな重要ポイントを放棄して出て行けというのか、と海軍は反対しているのです。
↑「サングレー・ポイント・インターナショナルエアポート」の完成予想図
『Taiwan News』の報道によれば、Giovanni Carlo Bacordo副提督は「私たちはマニラの入り口を守っています。マニラが陥落したら国全体が陥落します」とインタビューに答えています。
しかも、海軍の移動先もまだ策定されていないのです。
見切り発車というかなんいうか……やはりドゥテルテ大統領は大した肝っ玉の持ち主だといえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)