韓国の産業通商資源部が、アメリカ合衆国商務省に泣きついていた件です。
合衆国が主導する対ロシア制裁に乗り遅れたため、韓国は合衆国商務省の公表したファクトシートで「パートナー国」に入れず、このままでは韓国が二次的な制裁対象(FDPRの対象)とされてしまう――という状況でした。
慌てた韓国政府は合衆国の対ロシア制裁に同調する方向に転換。産業通商資源部の次官を派遣して交渉。その後、呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長も渡米して交渉に臨みました。
呂本部長は、商務省Don Graves(ドン・グレイブス)副長官とホワイトハウスのDaleep Signh(ダリープ・サイン)NEC/NSC副補佐官を相次いで会談を行いました。
これが2022年03月03日のこと。先にご紹介したとおり、04日には産業通商資源部から「韓国をFDPRの対象外とすることに合意」というプレスリリースが出たのでが、合衆国からはなんの公表もありませんでした。
これが前回までのあらすじです。
合衆国からやっと公表が出た。
2022年03月08日、韓国の産業通商資源部から本件に関するプレスリリースが出ました。
「韓国をFDPRから除外する」という合衆国と韓国の共同声明を紹介しています。以下をご覧ください。
産業通商資源部(長官:文勝煜(ムン・スンウク))と米国商務省(長官:ジナ・レモンド)は、韓国の対露輸出統制に参加に関する共同声明(Joint Statement)を下記のように発表し、韓国をロシア/ベラルーシFDPR免除国に含む(現地時間03月04日付発効)ことを確定した。
※米側が送付してきた57個のECCN(輸出統制分類番号)リスト(全62ページ)は3.8(火)から戦略物資管理システム(www.yestrade.go.kr)に公知
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「韓国の対ロシア/ベラルーシFDPR免除確定 韓産業通商資源部-合衆国商務省共同声明発表」
今度はきちんとアメリカ合衆国商務省からもプレスリリースが出ています。
以下です(面倒くさい方は強調文字のところだけご確認ください)。
韓国の文勝煜通所産業通商資源部長官とGina M. Raimondo商務省長官は、厳格な輸出管理政策の実施によりロシアの侵略に立ち向かう世界的な連合に韓国が正式に加わったことを発表します。
米国商務省は産業安全保障局(BIS)を通じて、ロシア/ベラルーシに対する外国直接製品(FDP)規則を含む米国のロシア/ベラルーシ制裁規則で求められるライセンス要件の適用除外を受ける国のリストに韓国を追加しました。
韓国は、欧州連合(EU)加盟国、日本、カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドに加わります。
パートナー国への除外措置の提供は、強力な輸出規制を実施するための多国間の取り組みを強化するものです。
産業通商資源部の文勝煜氏は、「我々は、誇り高き同盟国およびパートナーとして、厳格な輸出管理政策の実施によってロシアの侵略に立ち向かう世界的な連合に参加し、平和と安定に向かうウクライナを支援できることをうれしく思う」と述べた。
「ロシアに対する輸出規制に関する我々の強いコミットメントと、ロシア/ベラルーシに対するFDP規則の除外国リストに韓国を加えたことは、米韓間の鉄壁の同盟と相互パートナーシップを示すものである」
呂翰九氏は「韓国は、ロシアの軍事的侵略に対して輸出規制措置と経済制裁を行う米国と世界連合と緊密に連携している」とし、次のように述べた。
「韓国がロシア/ベラルーシの外国直接製品(FDP)ルール除外国リストに追加されたことを歓迎し、民間部門と連携して迅速かつ効果的な輸出管理措置を実施することを強く約束する」
ジーナ・M・レイモンド商務長官は、「我々は、韓国が我々と共に権威主義に対抗し、民主的自決、自由、平和の原則と価値を守るために戦うウクライナ国民と共に立ち上がることを歓迎する」と述べた。
輸出規制に関するこの前例のない多国間の協調は、ロシアの侵攻に対する我々の対応を迅速、厳格かつ成功裏に行うために不可欠な要素である」と述べた。「その努力に対する韓国のコミットメントを受け入れられることを誇りに思う」
ドン・グレイブス商務次官は、「韓国がロシアの侵略に立ち向かうため、拡大する連合に参加することをうれしく思う」と述べた。「韓国の経済力と技術的リーダーシップが、ロシアとベラルーシの軍隊を飢えさせるために活動している連合に実質的に加わるものである」
というわけで、「韓国はFDPR除外国となる」と合衆国は認めました。しかし、上掲のとおり合衆国は「韓国が連合に実質的に加わるものである」としています。
つまり、韓国は踏み絵を踏まされたのです。
韓国お得意の「曖昧外交」が合衆国に封じられつつあります。
(吉田ハンチング@dcp)