米韓首脳会談が行われ、親米に舵を切った韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権は「IPEF」にも参加を表明。
文前政権は中国が怒るので「インド太平洋」と名の付くものからはヒラヒラと逃げ回っていたのですが、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権で真逆の態度となりました。
とりあえず中国は予定どおり怒っています。
米韓首脳会談が終わり、共同声明が出た時点で、中国の外交部は「分裂を助長して対立を扇動している」と言い、中国メディア(全部御用新聞みたいなものです)は「世界のサプライチェーンから中国を排除しようとする試み」と非難しました。
現時点で怒り心頭ですが、中国としては文前政権に続いて三不の誓いを尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が守るのかも問題です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の公約だった「THAAD(サード)追加配備」がどのようになるのか、結局米韓首脳会談では明らかになりませんでした。
①アメリカのミサイル防衛に参加しない
②日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
③THAADの追加配備をしない
2022年05月23日の日米首脳会談のインパクトがあまりにも大きいので、米韓首脳会談はかすんでしまった感もあります。しかし、中国が韓国を狙わないわけがありません。
一番弱い環だからです。
ずっと中国に属して生きてきた国なので、そもそも中国に阿るのが基本姿勢。しかも文前政権によって左派の力が増してしまいました。
韓国を侵食する親北・従中の姿勢は骨がらみになっており、これを抜くのは容易でない状態です。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の誕生は最後のチャンスといえます。
問題は、中国から経済制裁が加えられたときに、韓国はそれでも日和らず自由主義陣営にとどまるという決断ができるのかです。
すでに韓国メディアでは、「第2のTHAAD事態が韓国を襲うのではないか」という観測記事が出ています。甘い読みと共に。
以下に『毎日経済』の記事から一部を引用します。
(前略)
私たちの立場では、中国が反対してもIPEFに加入しなくてはならない。(中略)
中国は不満を表明しているが、現在では第2のサード事態を起こす可能性は低い。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政府は合衆国中心の同盟外交を強化しているが、中国とも「相互尊重」原則を堅持している。
IPEFが中国を排斥するのではなく、開放性と透明性、包括性に基づいた経済通商協力プラットフォームだという立場だ。
大統領室関係者も去る21日、米韓首脳会談ブリーフィングで「米韓首脳の共同声明に中国をサプライチェーンから排除するというフレーズはただの一行もない」と強調した。
インド・太平洋地域の多くの国家が参加することにした状況で、韓国に対してだけ中国が報復に乗り出すのも名分が弱い。
(後略)
相変わらず、相手がどう思うのか・どう考えるのかを無視し、自分がどう思うのか・考えるのかのみを表明しています。
「米韓首脳の共同声明に中国をサプライチェーンから排除するというフレーズはただの一行もない」かもしれませんが、「韓国がIPEF参加を表明したこと」を中国がどう思うのか、どう考えるのかを無視しています。
「韓国に対してだけ中国が報復に乗り出すのも名分が弱い」と考えているのは韓国であって、中国がそのとおり考えてくれると思っています。
『ダウンタウン』の浜田さんの突っ込みではありませんが、「それはお前の気持ちやん!」です。
中国が韓国にだけへの報復に乗り出すことは十分にあり得ます。
すぐキャンという弱い環だからです。
そして、キャンといったらますます中国は韓国を「すぐに蹴り飛ばす」ようになるでしょう。こいつは蹴り飛ばせばすぐに泣くヤツだと認識を深めるからです。
中国と戦うには、そして中国から手強いヤツと認識される(ある意味尊重される)には、オーストラリアのように、中国からの締め付けに対してとことん抵抗するしかないのです。
抵抗しない者は尊敬などされません。
もう何度だっていいますが、韓国に問われているのは「覚悟」です。
(吉田ハンチング@dcp)