韓国メディア『中央日報(日本語版)』はなぜか「通貨スワップ」の記事がたくさん出る不思議な新聞ですが、2022年06月17日、また「通貨スワップが要る」という記事が出ました。
一応ご紹介しておきます。
タイトルは「米国利上げが韓国経済の危機につながるか…韓米、韓日通貨スワップなど解決法も提示」という記事です。
「アメリカ合衆国の利上げが韓国の経済危機につながるか」となっていますが、これはもう今に始まったことではなく、何度もご紹介しているとおり、韓国という国は利上げ局面の方が危ないのです。
合衆国が金融引き締め方向に動くことでひきつけを起こすことを「テーパータントラム」(金融緩和の縮小による発作)といいますが、韓国は過去にもテーパータントラムを起こしています。
合衆国が「金融緩和を縮小するぜ」と言い出したときに一部の韓国メディアでは「また発作を起こすんじゃあるまいな」という指摘が出ていたのです。
それはともかく、『中央日報(日本語版)』の記事の注目ポイントは最後の部分です。以下に引用してみます。
(前略)
一部では金利上げ速度調節論とともに韓米間通貨スワップ締結の必要性が提起される。600億ドル(約8兆282億円)規模の韓米通貨スワップは昨年末終了した状態だ。
KDIのチョン・ギュチョル経済展望室長は「今すぐでなくても国際金融市場の急変動の可能性があるだけに、適正時点に通貨スワップへのアプローチが必要だ」として「規模が大きくなくてもスワップ締結自体が市場の不安を解消するという象徴性が大きい」と強調した。
世宗(セジョン)大学経営学部のキム・デジョン教授は「先月、韓米首脳会談の際、通貨スワップが取り上げられるべきだった」とし、「米国としては韓国だけ特別優遇するわけにはいかない状況もあっただろうが、新政府で準備ができていなかったのが敗着」と指摘した。
また、「2008年金融危機で韓国は韓米通貨スワップだけでなく700億ドル規模の韓日通貨スワップもあった」とし「日本のドル準備高は1兆3,000億ドル以上だ。新政府に入って韓日関係を再確立するきっかけが作られただけに、二重の安全装置として韓日通貨スワップを推進しなければならない」と強調した
⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「米国利上げが韓国経済の危機につながるか…韓米、韓日通貨スワップなど解決法も提示」
またぞろ「米韓通貨スワップ」「日韓通貨スワップ」を締結すべき、という話が出ました。
「米韓通貨スワップ」の方は「新政府の準備不足が原因で締結できなかった」としています。
そうではありません。合衆国にとって全く必要でないし、得にならないから締結しないのです。
韓国側での呼称は「通貨スワップ」ですが、これはドルの流動性を拡大するためのドル流動性スワップです。そもそもインフレ対策で流動性を絞ろうとしている合衆国が、なぜ韓国と「ドル流動性スワップ」を締結する必要性があるのでしょうか。
「米国としては韓国だけ特別優遇するわけにはいかない状況もあっただろうが」などと発言していますが、そういうことではないだろう、と突っ込まざるを得ません。
「日韓通貨スワップ」の方も噴飯ものです。
「二重の安全装置として韓日通貨スワップを推進しなければならない」のは韓国の都合であって、日本からすれば、それこそ「知らんがな」です。
毎度おなみですが、麻生閣下の至言を以下に貼っておきます。
↑YouTube『ANNnewsCH』「麻生大臣『約束守れないなら金も返ってこない』(17/01/10)」
「信頼関係で成り立ってますんで、約束した話が守られないんだったら、こりゃあ貸した金が返ってくる可能性もないとか、スワップだって守られないかもしれないとか、いろんな話になりますから、難しくなりますよね、これは」
日本からは「韓国は約束を守らない国」と認定されているのです。ですから、お金の貸し借りの契約などできるわけがありません。
韓国経済が危なくなってきたのは確かです。しかし、今から合衆国、日本と「通貨スワップ」を締結するというのは明らかな無理筋です。
(柏ケミカル@dcp)