2022年08月09日、中国・王毅外相と韓国・朴振(パク・ジン)外交部長官の会談が行われましたが、先に会談が行われる直前の状況についての記事を上げます。
朴振(パク・ジン)長官に興味深い発言がありましたので。
08月08日青島に入り会談に備えるが……
2022年08月08日、中国・王毅外相との会談を行うために、韓国・朴振(パク・ジン)外交部長官が青島に入りました。
08月09日、王毅外相と会う前に、中韓修交30年記念の交流についてなど、駐中韓国大使などとオンライン会談を行いました(以下写真:韓国外交部公開)。
このオンライン会議では、中韓の貿易について企業人も参加していましたが、朴振(パク・ジン)長官は「(2022年)05月は以降、対中国貿易が28年ぶりに赤字に転落したというニュースもあった」と発言。
Money1でもご紹介しましたが、韓国の対中国貿易は05~07月の3カ月連続赤字です。
朴外相発言に透けて見える「中国への条件交渉」
この赤字転落の事実を述べた後、朴振(パク・ジン)外交部長官の以下のように言葉を継いでいるのです。本件を報じた韓国メディア『毎日経済』の記事から発言だけ拾います。
「国際秩序は新しい転換期を迎えている」
「アメリカ合衆国、中国間の戦略的競争が激しく展開され、貿易秩序も変化している。サプライチェーンも再編されている」
「国際秩序を脅かす不安要素が拡大している」
「相互尊重に基づいて中韓関係を共同利益を基に発展させていくという明確な意志を持っている」
「私の中国訪問をきっかけにして、これまで中断された政府間の協議チャネルを本格的に稼働しようとしている」
世界の秩序が転換期にさしかかっており、米中の対立が深化してサプライチェーンの再編に直面している――と理解していることを表明しています。
しかし、その上で「中韓の関係」を「相互尊重の上」「共同利益を基に発展させていく」と述べています。
一見すると、米中が対立しても中韓関係は捨てない、中国関係を発展させていくという、中国が喜ぶ意見表明に見えますが、「相互を尊重するなら」「共同利益があるなら」という条件を付けているのです。
つまりは、「中国が韓国に利益をもたらしてくれるなら」「中国が韓国に優しく接してくれるなら」といっているわけで、中国としては「どうしたもんかな」な意見表明です。
合衆国側に走っていくかもしれないわけですから。
「対中国貿易で韓国は28年ぶりに赤字になった」を枕詞にもってきたのは、「中国と貿易しても赤字じゃん」、仲良くするメリットって何?――と聞きたいためと思われます。
さて、会談では何が話し合われたでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)