2022年09月28日、『全国経済人連合会』が非常に興味深いリポートを出しました。
『全国経済人連合会』お得意の国内売上高上位100社の財務諸表を対象にした調査で、韓国メディア『ソウル経済』と共同で行っています。
これによると、2022年第2四半期時点で在庫資産は「98兆1,471億ウォン」。
2021年第2四半期は「76兆3,868億ウォン」でしたから、21兆7,603億ウォン(28.5%)も在庫が積み上がっています。
言うまでもありませんが、非常によろしくない話です。
売上高上位4社を見てみましょう。以下をご覧ください。
「在庫資産」金額推移 2021年第2四半期 ⇒ 2022年第2四半期
●『サムスン電子』(67.1%増加)
12兆7,947億ウォン ⇒ 21兆3,902億ウォン●『現代自動車』(16.6%増加)
2兆8,283億ウォン ⇒ 3兆2,967億ウォン●『SKハイニックス』(47.0%増加)
4兆9,718億ウォン ⇒ 7兆3,108億ウォン●『起亜自動車』(23.9%増加)
1兆7,411億ウォン ⇒ 2兆1,575億ウォン
『サムスン電子』はなんと在庫資産が「67.1%」も増えています。そんなに在庫積み上げてどうするんだ、という話ですが、近々の「半導体の在庫がタブついている」という話と符号します。
さらに100大企業の負債が以下のように増えています。
2022年第2四半期:588兆7,055億ウォン
増減:+53兆4,231億ウォン(+10.0%)
100企業だけで、ざっくり約600兆ウォンの負債があります。これはほぼ政府総支出に匹敵する金額で、しかも1年間で10%も増加しました。
Money1では先にご紹介したことがありますが、政府・企業・家計の3部門のうち、まだしも増加速度がマシだったのは、企業負債だけだったのですが、企業負債もまた増え方が加速しています。
というわけで、
消費萎縮 ⇒ 在庫増加 ⇒ 生産・投資減少 ⇒ 利益縮小 ⇒ 負債負担の増加 ⇒ 企業の業績悪化 ⇒ 所得の減少 ⇒ 消費萎縮(振り出しに戻る)
といった負のサイクルが想定できるかもしれません。
在庫増え過ぎだろ――という大変によろしくない韓国企業の現状をご紹介いたしました。
(吉田ハンチング@dcp)