韓国は「電気自動車強国」と自称しています。確かに、『現代自動車』『起亜自動車』が電気自動車に力を入れて販売しております。
しかし、中国企業が力を付けており、中国内では韓国ブランドの自動車は売れなくなりました。また、安さで中国メーカーに勝てない以上、韓国製電気自動車が中国市場で売れる芽はありません。
世界第1位の自動車市場である中国では韓国自動車はもう先がありません。
世界第2位のアメリカ合衆国市場はまだ持っていますが、ここは熾烈な過当競争の地。
なによりIRA(インフレ削減法)があるので、これまでのようにホイホイと韓国産電気自動車が売れるとは想定できません。韓国産電気自動車に補助金が出なくなりますので。
3位の日本市場では、韓国車が売れるとは到底思えません。実際、再上陸した『現代自動車』は泣かず飛ばすです。
で、欧州市場となるわけですが、この地でも欧州版「IRA」と呼ばれる「CRMA」が草案を発表しており、韓国の電気自動車に暗雲が垂れ込めてきました。
こちらでも補助金が受けられなくなりそうで、そうなると韓国産電気自動車はこれまでのように売れなくなると想定されます。
また、欧州では「電気自動車に全面的に舵を切るのをやめよう」という話も出ており、この方向性もどうなるか分かりません。
面白い数字があります。
『ACEA』(欧州自動車工業会)がまとめたデータによると、2023年01月、ドイツでの電気自動車販売台数は「1万8,136台」で対前年同期比で「-13.2%」となりました。
興味深いことに、意識高い系の国として知られ、電気自動車の普及率の高いスウェーデンで、同様に対前年同期比で「-18.5%」を記録。
ノルウェーはなんと「-81.4%」となりました。
ところが、欧州全体で見ると、電気自動車の販売台数は対前年同期比で「+13.9%」と増加しているのです。
ではなぜ、ドイツ・スウェーデン・ノルウェーで電気自動車の販売台数が対前年同期比割れとなったのでしょうか?
全ては補助金頼み!
答えは簡単で、程度の差こそあれ補助金を出すのをやめたからです。
2022年に電気自動車補助金を縮小し、プラグインハイブリッド(PHEV)補助金を廃止
スウェーデン
電気自動車の購入・運用費用が内燃機関車水準に下がったという理由で、支援していた国家補助金を廃止
ノルウェー
2023年から車両重量基準で税金を払う重量税を電気自動車にも復活。価格50万クローネを超える電気自動車は付加価値税(VAT)を賦課することに変更
高価なバッテリ-を積んだ電気自動車は、そもそも高額です。普及させるために各国政府が補助金を積んでお得に買えるようにしたから売れたのです。
環境にいい!なんていってますが、電気自動車には、現段階では給電に時間がかかり、給電施設に限りがあり、冬場は航続距離が著しく落ちるというデメリットがあります。
補助金が切れたら「高いし不便」で売れなくなっても不思議ではありません。補助金が適用されなくなった韓国製電気自動車が欧州で売れるのか?は、はなはだ疑問です。
韓国内でも電気自動車は売れなくなった
↑『起亜自動車』の「Niro EV」
実は、韓国内でも2023年01月、電気自動車は売れなくなりました。
『現代自動車』IONIQ5:76台
『現代自動車』IONIQ6:23台
『起亜自動車』EV6:0台
『起亜自動車』NiroEV:1台
『シボレー』ボルトEV:0台
ただ、韓国の場合には、補助金うんぬんよりも、高速道路で充電器を巡ってレースが繰り広げられるといった世にもあほらしい事実が広く知られるようになり、購入者が減少したのが原因ではないのか――と推測されます。
つまり、国内においても、海外においても「電気自動車強国」といっている割には、韓国製電気自動車が売上を伸ばしそうな話はないのです。
「補助金がなくなったら売れなくなる」というような商売は、そもそも駄目なのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)