2023年08月18日に、韓国の企画財政部が「第29次緊急経済次官会議」を開催しました。緊急会議ばかり行っていますが、この中に興味深い記述があります(以下はプレスリリース)。
バン・ギソン企画財政部第1次官は08月18日(金)8:00、政府ソウル庁舎で第29回非常経済次官会議を主宰し、
➊秋夕民生安定対策推進計画(関係省庁合同)
➋中国人訪韓観光活性化方案(文化体育観光部)
➌水素バス普及拡大推進計画(関係省庁合同)
➍上半期のベンチャー投資動向及び今後の計画(中小企業庁)などを議論した。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「第29次緊急経済次官会議の開催」
秋夕の祝日が視野に入ってきましたので、それに対策が➊。ご注目いただきたいのは、➋と➌です。
まず➋ですが、先にご紹介したとおり、2023年08月10日、中国が中国人旅行者の目的地として、アメリカ合衆国・日本・韓国など78カ国を追加承認。これによって、韓国は「中国人旅行者が戻ってくる」と大いに期待しています。
韓国にお金を落としてくれることを期待できますし、旅行収支の赤字※が拡大している現状を改善するチャンスだからです。
※『韓国観光協会』によれば、2023年上半期、韓国の観光収支は「-46億5,000万ドル」の赤字です。これは2018年の「-70億6,000万ドル」以来で最大の赤字金額です(上半期基準)。
↑電気バス「ELEC CITY(エレクシティ)」。PHOTO(C)『現代自動車』
次に➌。水素バスというのが面白い点です。これまで韓国では公共機関で使用する移動手段として電気自動車・電気バスの導入を推進してきました。
今回は水素バスです。
これは電気自動車・電気バスにおいて、中国産に(価格面で)勝てなくなっているからと見られます。実際、電気バスにおいて韓国市場は、中国産に食い荒らされています。
上掲記事でご紹介したことがありますが、2022年上半期の時点で中国産電気バスのシェアは50%に達したのです。中国産電気バスは1台当たり輸入単価が2億ウォン台序盤の水準。対する韓国産の電気バスは、3億ウォン台半ばで、価格戦闘力の面で中国産は圧倒的なのです。
※同様のことは日本でも起きています。
電気バスを導入しても中国産ばかりが幅を利かせるのなら、と水素バスに舵を切ったと思われます。
しかし、これはこれで問題があります。というのは、確かに水素関連技術について、韓国は中国よりもマシで、進んでいますが、基礎技術は全て日本産です。
岸田文雄が韓国とグリーンエネルギーの面について「韓国と握る」と約束してしまいましたので、韓国政府は日本をアテにしているのかもしれません。だとすれば、いい気なものです。
(吉田ハンチング@dcp)